大使館は世界への窓 最終回/ニュージーランド
■(月刊『記録』95年8月号掲載記事)
■「おいしいリンゴはいかが?」/アントアネット・ジャッケリー二等書記官に聞く
ニュージーランドと聞いて皆さんが思い浮かべるのは羊だろうか、ラグビーのオールブラックスだろうか。もちろん羊肉や羊毛は今でも重要な輸出品目だが、近年では工業力・技術力も向上している。その一例が、日本艇の参加で日本でも大きく取り上げられた世界最大のヨットレース、アメリカス・カップの優勝だろう。ヨットの性能とクルーの技能が試される同大会で、今年はチームニュージーランドが優勝し、本国では最高の盛り上がりを見せた。次回は1999年、オークランドで開催される。
また、ラグビー・ワールドカップでのオールブラックスと日本チームの試合は大差がついて残念だった。これは経験によるものだろう。日本も経験を積めば必ず強くなる。オールブラックスの選手は試合前以外は週末に個人練習するくらいで、日本人選手とはずい分違うと思う。国民は皆スポーツに親しんでおり「スポーツが宗教」といわれるほどだ。
わが国は社会福祉の国という印象があると思うが、失業とインフレに見舞われ、10年ほど前から行政改革に取り組んでいる。海外の旅行者がけがをした際、無料で治療が受けられる制度は廃止され、年金の給付が60歳から65歳に引き上げられた。各種の引き締めが行われた結果、昨年の経済成長率は6%となり、失業率は11%から7%以下にまで回復、国内生活は安定した。治安も保たれているため、日本からの語学留学生も増えている。
英国との精神的・経済的な結びつきは強いが、60年代は約70%だった貿易高は、現在では7%程度であり、逆にAPEC諸国との取引が70%を占めている。最近は太平洋諸国の一員としての立場が重要視されており、なかでも日本はオーストラリアに次いで第2位の貿易先である。今後ますます重要なパートナーとなっていくだろう。
昨年のリンゴの自由貿易化によって、今年もおいしいニュージーランド産リンゴを皆さんのご家庭にお届けすることができるだろう。
(■了)
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