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民主党は党の要求や趣旨と合致しないと取材できない

●月刊「記録」2005年9月号掲載記事

●取材・文/本誌編集部

■岡田克也・菅直人両氏に直訴

 参議院での郵政法案否決、間髪置かずの衆院解散と政界が激しく動いた8月だったが、その間も本誌は民主党を追い続けた。
 彼らが掲げる「政権担当能力」、ではその中身とは何なのか。そしてどうやって自らの存在を国民にアピールしていくのか。3月と6月に民主党本部に直接話を聞かせてもらおうとしたが、どういうわけか「説明できる人を用意できない」と断られた。しかし、ここで引き下がるわけにもいかない。政党本部でそれを聞くことができなければ、党の代表に聞くしかない。
 本誌では8月9日に党首である岡田克也代表、の菅直人前代表に、質問状を送った。これは2度目だ。7月上旬に両者に質問状を送ってはいるが返事はなかった。質問状を入れた封筒さえ、届いているかどうか確認できていないと先方は言う。
 質問状を出してから1週間の期限を設けて、その頃までに返事が来なければ議員会館に直接電話をし、今回はなんとか食い下がってやろうと決めた。
 封筒の内容は、送付にあたっての手紙(兼質問状)、解答用紙、これまでに民主党を取り上げた『記録』7・8月号、そして返信用封筒。
 岡田代表、菅前代表に質問状を出したのは9日、前日の8日には参議院で郵政民営化関連法案否決があったから、来るとしてもすぐには回答は来ないだろうと考えていたが、やはり期限の17日までに回答は来なかった。
 17日、岡田事務所の電話が話し中だったため、先に菅事務所に電話する。対応に出た女性に質問状を送ったこと、回答をもらいたいことを伝えた。「少々お待ち下さい」としばらくの間があったあと、どこかで予想していた言葉を聞くことになった。
「(質問状入りの封筒を)こちらでは確認しておりません」。
 まただ。
 届いてないわけがない。宛先は穴が開くほど繰り返し確認したし、現に小誌に封筒が戻ってきてもいない。女性は「毎日の郵便物の量が多すぎて把握することは難しい」などと言う。やむなく郵便物の中から封筒を探してもらうことになり、次の日にもう1度電話することを伝えてから切る。
 次に、再び岡田事務所に電話すると男性が出た。「確認できてないですね」。
 ここでもこうか。「どのような件で」と男性が言うので、これまでのいきさつを話すと、ファクスで質問状を送ってもらえれば見ることができると言う。その通りにしたら1時間後に男性から電話が来た。回答は「党役員室に聞いてほしい」というものだ。どうやらそれが民主党の組織原則らしい。
 それはわかる。ただ小誌は当の役員室から「取材に対応する者を用意できない」といわれたのである。ここでハイといったら堂々巡りになってしまう。役員室に門前払いされて取材できなくて困ったから岡田さんに泣きついたのですよと申し上げたら先方も理解してくれたようで「役員室に話しておく」と言ってくれた。そこで明日以降に改めて役員室に連絡することになった。
 この男性は大変ていねいで親切な方だった。翌日には本当に役員室に話をして下さった。今回の取材を通じてただ一人といってもいいほど協力してくれた。この企画は本来民主党をあしざまに罵るつもりはなかった。むしろその逆に近いニュアンスだったと今になって思い出す。それをやっとわかってくれた人に出会えた気がした。本来ならば実名で紹介したいぐらいだが無礼な行為なので控えておく。

■郵政の新たな問題点を発見

 それにしても、これまで岡田代表、菅氏に2度づつ封筒を出しているが、1度も向こうに届いたことを確認できていない。4度出して、1度もない。議員会館に出した郵便物がどうやってそれぞれの事務所に届くのかわからないが、これはどのようなことを意味するのか。
 もちろん各事務所に届いたはずの郵便物は本誌が出したような質問状だけではあるまい。そこには日本中からさまざまな意見、訴え、批判の類がゴマンとありゴミ情報もわんさかのはずだ。しかし一方では有益なものもあろう。そうした声は結果的には届いていないということになる。
 8月18日、再び菅事務所に電話。前日とは違う女性が出る。前日に出た女性から、郵便物を探しておくという話が伝わっていないらしく、もう1度いきさつを説明することになった。再び封筒を探してもらったが、女性は、「これ以上探すことは難しい」と、分かったような分からないようなことを言う。要するにこちらからの郵便物は届いたかどうかも確認できないのですね、ときくと「はい、そうですね」。
 ではファクスで送ったら質問に答えてくれるのかときくと、「お答えすることはわからないが、目を通すことはできる」と言う。そのようにしたが返答はないまま今に至る。
 やや余談めくが党を代表する人物の郵便受けのこうした状況を今回の総選挙の争点に小泉首相が無理矢理したがっている「郵政」にからめると興味深くはある。両事務所の言い分にしたがえば郵便物には未達の危険があったり大政党幹部の事務所でさえ管理できない爆発的な量があることを意味する。すなわち郵政を民営化するかどうかは別にして郵政三事業のうち郵便の機能には重大な欠陥がある可能性があるのだ。現に岡田事務所には2度の郵送では反応がもらえなかったのにファクス(つまり電話機能)ならば速やかな対応をしてもらえた。これが「郵政公社の徹底的な縮小」で解決できるのかなあ。

■もういい!もうわかった

 後は岡田事務所の男性が橋渡ししてくれた民主党本部役員室に聞くしかないので電話した。対応に出てきたのはかのO氏だ。やっぱりこの件の担当者はあなた様なのですね。
 今回は質問を3月と6月の内容よりもさらにシンプルにした。これまでは「貴党の『政権担当能力』とはなにか、そして、どうやって存在をアピールするのか」といった内容だったが解散・総選挙の真っ只中という現状では「どうやって存在を国民にアピールするのか」という質問はほとんど意味を持たなくなった。
 そこでまず質問したのは政策についてだ。ただ、その答えは実にあっけないものだった。
「民主党の政策については党のホームページで見ていただければお分かりかと思います。郵政、イラク、財政面などにおいての党の方針がそこに示されているので」。ホームページを見ろということだ。それが悪いとはいわない。しかし同様の回答をした政党が共産と社民で、自民と公明は小誌の質問のために文書でわざわざ回答してくれたという事実は付記しておく(前月号参照)。
 実を言えば、私が最も聞きたかった質問は「なぜ3月と6月に小誌の取材が拒否されたか」という点だった。そのときの質問の内容は散々述べているように民主党への嫌がらせの要素は決して含まれていないはずだ。それでも取材は断られたのだ。だからその点についてO氏にきいた。
 彼が言うにはその時にはスケジュールの折り合いがつかなかったのだという。スケジュールについては本当に折り合いがつかなかったのか、あるいはそうでなかったのかこちらには確かめる術がない。ただ、スケジュールに折り合いがつかなかったにせよ、国の第一党を目指そうという党が、その核心の部分を説明することにたった30分さえも時間を作ることができないというのはどうしても腑に落ちない。
 一つだけ思い当たることがある。それは小誌が取るに足らぬミニコミだから相手にする価値がないという判断が先方にあったという理由だ。はっきりいうがそれならば納得する。そこで我らがテレビや大新聞であったならば、取材に応じてくれたのかと聞いた。ところがO氏は、「それはない」と言う。
 そして取材を受けるか受けないかは「こちら(民主党)の考えに基づいて」決めているとおっしゃった。では、それはどういう考えか。「それは、こちら(民主党)とそちら(取材する側)の要求や趣旨が合致すればこちらも取材に応じることができる、と言うことになります」。
 不可解である。小誌は民主党が折に触れて自ら好んで訴える「政権担当能力」の説明を求めたのだから民主党にとって「要求が合致しない」内容だとは論理的には到底いえない。ただ一つだけこの解釈が成立する切り口はある。回りくどくて恐縮だが「民主党が自ら好んで訴える政権担当能力の具体的な説明をするのは民主党の要求や趣旨に合致しない」という答えだ。さてこの推察からどんな結論が導き出せるか。もはやいうまでもなかろう。これでこの話は幕。天網恢々疎にして漏らさず。有権者はすべてを感じ取って9月11日の投票に向かうであろう。(■了)

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