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公衆電話はどこへ行く

●月刊「記録」2005年1月号掲載記事

●取材・文/本誌編集部

 最近、公衆電話を使いましたか? 急に電話をかける用ができた時、携帯電話を持たない人に必需品である公衆電話が減っている。見つけるのにひと苦労した経験が一度や二度ある人も多いはずだ。
 2001年にNTT東日本、西日本合わせて68万635台だった設置数が、03年には50万3135台と約18万台減っている。1985年から2001年までの減少数は1万台から数千台という単位で減っていたが、02年以降はケタ違いに激減している。
 公衆電話には第一種と第二種があり、第一種は「ユニバーサル(すべての人のために提供される)サービス」の観点から最低限設置しなければならず、市街地では500m以内に1台。その他の地域では1km以内に1台設置しなければならない。
 第二種は需要が多いところに設置する電話で、NTTの判断や自治体の要請があった場所にNTTが設置を決める。
 冒頭のように必要時に見つからない状況が生じる理由は二種の減少だ。一種は減らせないが「500メートル以内」は案外と広い。過去の「どこにでもある公衆電話」の要件を満たしていたのは二種の存在と推定される。
 さてサービスは提供する側と受ける側の利害が一致して成り立つ。二種は需要の多寡で利害が決まるが、老若男女問わず携帯電話を持ち、いつでもどこでも電話をかけられる今の状況では「需要」の低下も無理はなく、携帯のシェアが拡大し続ける限り、公衆はさらに減少しよう。昨日あったところに今日はない、ということが起きても不思議ではないし、公衆電話を探して右往左往する状況が今より多くなることも間違いなかろう。
 実はこれ以上減らすとまずい理由がある。災害時の連絡だ。新潟県中越地震の際に携帯が輻輳(掛ける人の殺到)してかかりにくくなったが公衆はつながるのだ。
 現在、公衆電話は3種類ある。おなじみの緑の電話、灰色の電話、さらにIC電話である。灰色とIC電話はモデム機能搭載(ISDN)なので、モバイルと接続すればインターネットも出来る。
 特に異彩を放っているのがIC電話だ。1999年に登場して当時社会問題だった偽造テレホンカード対策としてセキュリティ重視の作りになっている。さらにNTT東日本の広報担当者によると「Lモード」も利用できるという。Lモードとは携帯電話に革命をもたらしたiモードの家庭用電話機版で、いつも使っている電話機でEメールの送信、ネット検索ができてしまう便利な機能なのだ。ただしIC電話から利用するには相手がLモードの契約をしていることが条件なので、どこまでメリットはあるか疑問である。国際電話もかけられる意外とお得な電話機だが、利用者をあまり見ないのは寂しい限りだ。 進化を続ける携帯電話の裏側で、台数が減っても、隣で携帯が使われていてもめげることなく、ひっそりたたずむ公衆電話。だが便利な携帯との併用方法がある。まず携帯料金の支払いに頭が痛い人は、携帯への電話は携帯からかけ、家や会社などにある固定電話へかけるといった使い分けをすれば、結果的に通話料金が減り携帯料金の節約もできるはずだ。
 さらに怒られそうな上司への報告や気が重いクレーム相手へ掛ける時にわざと公衆を使うという手もある。そうすればテレホンカードのように度数が減っていくことがない携帯電話と違って、0になると通話が強制終了されてしまう公衆電話相手にそう長く話し続けると言うことはしないだろう。
 確かに携帯電話のほうが使い勝手がよいが、公衆電話も使い方次第でとても便利なツールに変化するのである。ここはもう一度、公衆電話に光をあてるのもよいのではないだろうか。意外と喜ぶかもしれない。

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