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サイテイ車掌のJR日記・斉藤典雄/分会大会 不当判決 混乱

■月刊「記録」2002年3月号掲載記事

○月×日
 2日間の分会大会が月末に控えている。
 執行委員会や方針書等の資料作りで大忙しだというのに、どれもかしこもサケ絡みの新年会や旗開きが連日連夜ときている。
 飲んでいる場合ではないのだ。いくら好きだからといっても限度というものがある。「これ以上飲んだら明日はないと思え」と、内心自らを戒めつつも、気がつけばグラスには再びなみなみと注がれているのだ。「もういいよ」って、自分で注いでいるのだから世話がないとしかいいようがない。
 「おお、今日は飲まなくてもいいんだな」と、夜勤で泊まりの日がホッとする今日この頃なのである。
 それにしても、中央線は人身事故が多い。毎日のように続いている。年明け初っぱな、元日からあった。昨日もあった。
 たった今も、出勤前だからと「ヤフー路線情報」を見てみたら、「東中野、6時20分運転再開」などと出ていた。
 もはや、「やれやれ」という溜め息ばかりで、話題にするのもウンザリだ。これは、その時々の出番者が一致協力する以外にない。手落ちなく全力で対処して、お客さまが安心して御乗車できるよう、しっちゃかめっちゃかが一刻も早く正常に戻ることを願うばかりである。
 多いといえば、乗務員のチョンボも増えている。遅刻から始まり、発車時刻よりも早くドアを閉めてしまった、赤信号なのにドアを閉めてしまった、停車駅を通過して行ってしまった、などなど。会社の掲示板が「真のプロ」として恥ずかしいと泣いている。私も他山の石として、細心の注意を払いたい。明日はわが身かもしれないのである。
 また、チョンボといえば、12日付の東京新聞に取り上げられた「車掌欠乗」の事件だ。
 中央線松本行きの東京発臨時特急(普段は運行されていない)「あずさ95号」の車掌が、気分が悪くなりトイレに行ったため、急きょ別の車掌を乗務させて、発車を19分遅らせたと書かれていた。
 JRは何故このようなウソの発表をするのかと不思議に思っていたら、3日後(15日付)の新聞に「特急遅れ、実は車掌手配忘れ」との真相が載っていた。
 担当部署が車掌の手配を忘れていたためとあり、間違って公表したのは、広報担当者が車掌の体調不良と勝手に思い込んだのだという。
 「ホントかなぁ」と思ってしまうが、何ともお粗末でいい加減なものである。お客さまの抗議や苦情は現場の私たちに矛先が向くのだからたまったものではない。
 しかしながら、このようなミスは今後も必ず起きる。未来永劫なくなることはないだろう。ならば、起きた時のバックアップ体制、フォローがいかに重要であるかだと思うが、その要因すら十分とはいえないのが実情だ。改善してほしいといくら要求してもダメなのだから、「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」とひたすら誤り続けるしかないのだろうか。
 とりあえずは、上も下もJR全体がもう少し気を引き締めたいものである。

○月×日
 重要なことが次々と処理されている。
 それは良い方向へなら大歓迎で何もいうことなはいのだが、止まるべき赤信号だろうが、人身事故だろうがお構いなしかのように、危険な方向へどんどん突き進んでいるとしか思えない。私たち一般組合員には全てが後の祭りでどうすることもできないのだ。
 1月9日には、昨年末(12月26日)に東京高裁から出された「大阪・岡山採用差別事件」(JR西日本に不採用の3名が対象)に対する国労敗訴の不当判決について、国労は「四党合意に基づき、早急に不採用問題の解決促進をはかる立場から・・・・・・」といった理由で、「上告しない」ことを決めたという。
 大会決定である「裁判の取り下げは解決時」はいったいどこへやら。また、あれほど「最高裁判決が出されれば、解決が困難になる」といっていたにもかかわらず、本部自らが不当判決の確定を急いでしまうとか。本部の勝手な解釈で、もう何でもありなのだ。矛盾どころか、これでは支離滅裂ではないか。もはや、国労も来るべきところまで来たという感じである。
 それにしても、原告である3名の気持ちを思うと、あまりにも気の毒で掛ける言葉も思いつかない。「JR不採用・解雇は正当でした」などと、いったい誰が思うだろうか。本部は心から3名の無念さ、屈辱を厳粛に受け止めるべきである。
 いずれにせよ、本部は、国労の敗訴確定を決定的なものとし、「上告断念」という形で訴訟取り下げへ踏み込んでしまった。このままでは、15年という国鉄闘争が敗北的に収束させられてしまうのではないかという暗たんたる思いでどうしようもないよ、おれ。

○月×日
 何はともあれ、分会大会が終わった。
 分会の大会ともなると、身近な問題ばかりが議論の的になるものである。職場のことがほとんどだ。
 例えば、乗務で問題を起こした仲間に対する会社側の理不尽な対応への疑問や不満であったり、その是正を求めるといったことなどが中心になるのだ。
 今回も予想通り、それらに終始した。
 まったく進展を見ない四党合意による解決には、誰もがやきもきしていることは事実である。だからこそ、受け入れに対してのそれぞれの「思い」は、当時にも増して複雑なものになっていると思うのだが、誰一人としてこの件に関する意見を述べた組合員はいなかった。
 うちの分会は、執行部としても「本部に総団結する」という姿勢(方針)なのだから、ここで議論しても始まらないという気持ちがあるのかもしれない。それとも、すでに全国大会で決定されたことだからという「お利口さん」が大多数を占めているからなのか……。
 いずれにしても、私には物足りなさが残ったが、「物事は捉えようだ」と、軟弱頭をスバヤク切り変えたのだった。
 むしろ、仲間を大切にするという観点から、お互いの「思い」を尊重し合い、さまざまな不利益を受けながらも、国労魂を胸に秘め、こうして分会の団結を維持しているということが、何よりの宝物なのだと。
 本部は、自らが作った現在の混乱を、責任をもって一刻も早く収拾すべきなのであり、ごく当たり前の運動をしている私たち一般組合員を巻き込まないでほしいと、切に思った大会だった。

○月×日
 ついに、「闘う闘争団」が鉄建公団を相手にした新たな提訴に立ち上がった(1月28日)。
 新聞報道(朝日29日付)によると、「国鉄精算事業団の解雇は無効として、雇用関係の存続確認と未払い賃金、慰謝料など総額約109億円の支払いを求め、JRの採用差別問題の政府責任を追及したい としている」とある。
 また、「これに対し、最高裁で続いている訴訟の取り下げも検討している国労本部は『解決を妨害する行為で処分の対象だ』として、2月3日の中央委員会で査問委員会の設置を提案する」というものである。
 一方、インターネットの闘争団を支援するホームページの情報によれば、(提訴後の)闘争団と弁護団の記者会見では、代理人の加藤晋平弁護士が「不当労働行為があった事実ははっきりしているのに、国鉄とJRはちがうというだけで責任が置き去りにされてしまった。責任は旧国鉄(政府)とJRの双方が追うべきもの。JRに対しては現在最高裁で争っているので、旧国鉄の責任を追及するのが今回の裁判。不当労働行為をしておいて解雇ができるのか、ということを争いたい」と、裁判の狙いを明らかにされ、報告集会では、原告団の佐々間誠事務局長が「国労が本来やらねばならないことを私たちはやっただけ。本部が感謝する日がきっとくる」と語ったとある。
 実に明快である。私は、この訴訟が闘いに厚みを増し、闘争団の誰もが納得のいく早期解決に大きく結びつくことを強く確信するものだが、率直な気持、これが火種となり今日の国労内の内部抗争が取り返しのつかない事態に発展するものではないかと気が気でならないのである。
 それは、報道にもあるように、5日後(2月3日)に開催される中央委員会での査問委員会設置の提案に他ならない。本部は、不穏当にも「処分だ」などと、相当怒り狂っている。
 活動家といわれる賛成派の幹部たちは、今こそ目を覚ます時ではないのか。本部との御門違いな蜜月関係は勇気を持って断ち切り、「おかしなことはおかしい」と国労再生のために自分の良心の下で行動してほしい。
 処分などということは絶対にあってはならないことである。

○月×日
 予定通り、中央委員会が開催(2月3日)された。またも機動隊を配置したのだという。恥を知れ!本部!!である。
 本部が提案した査問委員会の設置は代議員(41名)の賛成多数であっさり承認されたという。これは数の力関係で仕方のないことなのだ。
 処分の対象は、昨年12月に脱退して新組合を結成した中心メンバーと、鉄建公団訴訟を起こした「闘う闘争団」の中の279人だという。
 本部書記長の答弁では「いきなり処分ではなく裁判を取り下げてもらうよう努力する」ということだ。しかも、その決定は8月の定期大会なのだという。 もうホントにいい加減にしてほしい。また半年間もこのままでズルズルいくのか。これでは今年も何もなく終わってしまうぞ。
 身内で闘うことはやめにして、闘いは外に向けてやるべきではないのか。
 管を巻かずに豆をまこう。今日は節分、福はぁ内、鬼はぁ外…。まったく、もう。

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