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行動派宣言!/きつつき会

■月刊『記録』95年10月号掲載記事

■地域に根差した福祉活動の実践

■運動の目標

 心身の障害や家庭的な課題により、地域で普通の暮らしが営めない人々に対して、権利としての福祉サービスが提供されるようになってまだ半世紀。しかも、憲法で保障された普通の暮らしと、法律や制度との間にはまだまだ溝がある。
 福祉施策は、障害の種別や背景に従って分類し、入所施設に収容する従前のやり方から、在宅の暮らしを支える地域福祉重視へと変化しているが、施策は地域からでなく、国の掛け声によって推進されつつあり、行政効率が優先されている面がある。身近な暮らしそのものを、多様な選択肢で幅広く支えるのが地域福祉の本来の目標。法律や制度を前提とした上からの改革でなく、地域に根差した土着の実践としての下からの福祉改革を目指す。

■発足の経緯

 86年10月、将来の進路に不安を持つ、養護学校小学部に通う児童の保護者との出会いがきっかけとなった。障害を持つ人々の進路確保と選択肢の拡大による自立支援を目指し、地域に根差した小規模通所施設の開設を目標に発足した。

■運動の歴史
 発足時点では、対象の知恵遅れの子どもは小学部4・5年生で具体的な施設を必要としておらず、あそびの場の確保を当面の課題とした、月1度(日曜日)の「あそび会」をスタートさせた。
 89年に将来の通所施設としての活用も念頭に、活動拠点「きつつきの家」を建設し、90年の切実な電話相談がきっかけで県内初の障害児学童保育を開始した。市社会福祉協議会からも地域福祉推進型施設補助が初年度から支給され、さらに市単独の障害児児童保育事業補助も91年度から支給されている。94年4月には、目標であった小規模通所施設の「通所生活施設」を開所。こらまでの実務実績が、県・市行政の中で認められ、茨城県福祉ワークス事業による水戸市委託として、運営の基盤が与えられた。

■今後の抱負

 利用定員を大きくせず、発達・自立支援の質を高めていきたい。現在の利用者は7歳から28歳までで、うち今年20歳を迎えた数人は、発足時の小学部5年生である。この青年達の成人期へ向けた自立支援として、96年1月に生活ホームを開設し、児童期から青年・成人期を一貫して支えるための環境整備を目指す。

■思い出深い出来事

 地域での普通の暮らしを、という願いの一方で現実は単純ではない。多くの課題を心身に抱えた子ども達は、時に地域環境との間で摩擦を生む。それへの対処の中で、「習うより慣れろだから」と近所の方から声をかけられた。それは、暮らしを身近にすることへの同意であると共に、地域での暮らしの共有の中に、一般論としての差別がなくなりつつあることを示唆するものだった。

■工夫している点やユニークな方法論

 利用児者の発達・自立援助では、地域の一員としての日常の関わりを重視すると共に、幅広い生活経験をきめ細かに積み重ね、地域での普通の暮らしの可能性を高めて行くため、1つ1つの日課への動機や、暮らしを見通す力の向上を大切にしている。

■運動の問題点

 制度と前例にこだわらない結果、運営の基盤は脆弱で、94年度実績で全運営費に占める公費の割合は42%である。父母からの負担金と賛助会費・寄付金がそれぞれ約3割を担っており、不安定な財源への依存度の軽減が求められる。

■運動を継続するためのポイント

 福祉制度の歴史的な経過と、地域社会の歴史性から遊離しない実践の重視。困難な運営環境の中で背伸びせず、地に足をつけた実践を積み重ねるため、方向性を持って継続の責任を担える歴史認識と哲学を維持し、資質を高める。(大曽根邦彦)

■現在のウェブサイト……なし

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