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行動派宣言!/播磨灘を守る会

■月刊『記録』95年7月号掲載記事

■埋立て防止から磯浜復元まで

■運動の目標

 播磨灘沿岸の海・空・川の自然環境を守り、赤潮などの汚濁を浄化するため、埋立て阻止、工場排水などの監視と水域の調査を続けてきた。「元来、自然は誰のものでもない」=「あらゆる生物の生きる場」との考え方を柱に、現在は壊した海=埋立て地を渚に戻そうという「磯浜復元」を目指している。

■発足の経緯

 1955頃はじまった一部財界のための「金主主義路線」が、ゼニカネに代えられない自然環境を日本各地で壊し、多くの生物を滅ぼした。殊に瀬戸内海は、浅海の埋立てと汚濁が進み、現在なお毎年の赤潮と大気汚染・酸性雨は止むことがない。そんな播磨灘の危機の中で、71年に若手漁民と労働者・学生・教師らが集まり、ごく自然に発足した。

■運動の歴史

 71年8月、播磨灘各地の沿岸魚ボラ・コノシロ・チヌなどと、養殖ハマチが大量死。その被害調査と被害漁民救援を行なう。翌年には姫路沿岸で定点観測(透明度とph調査)開始。以後10間継続。高砂鐘ヶ渕化学と三菱製紙の長期にわたるPCBたれ流しが発覚。両工場への抗議と兵庫県への厳しい対策を申し入れる。
 73年は瀬戸内海環境保全法の制定に先立ち、瀬戸内での海面埋立ての全面禁止と、工場排水の総量規制を明記するよう環境庁へ申し入れたが、財界・自民党などの異論によって骨抜きにされる。また魚貝類のPCB汚染が拡がり、我々の調査で被害総額約40億円に上る漁業パニックが起き、兵庫県に救済を申し入れる。
 78年から、網干沖埋立(産業廃棄物処分場)と揖保川流域下水道、更に関西電力の相生火力発電所建設に対する反対運動に入る。84年には東芝姫路工場太子分工場の半導体製作場から漏れたトリクロロエチレンが長期間地下水(井戸水)を汚染したことが発覚し、原因究明と追跡調査を2年間継続。『播磨灘30年』出版。
 88年、夏休み中の子ども達のため2泊3日の「海のアドベンチャースクール」を開設し以後毎年開催する。90年代に入っても播磨空港建設計画反対の運動を始め、「赤潮クルージング」「播磨灘写真展」などのイベントを次々に開いた。

■今後の抱負

 差し当たっては瀬戸内海環境保全法に埋立て禁止条項を入れる改正運動と、関西唯一の本格的干潟「新舞子」(揖保郡御津町)をラムサール条約指定地にすること。

■思い出深い出来事

 86年の15周年フォーラムで、出席漁民から「海を埋めておいて使用していない土地が多い。これを元の浜辺にできないか」との提起があり、翌年姫路市で「磯浜復元と街づくりシンポジウム」を開催し、不使用の埋立て地を渚に復元することで、生物による海域の浄化・漁業資源の増大・周辺住民の親水権の拡大・街の景観回復などが可能であることを論証した。92年には姫路市沿岸での磯浜復元の決議を兵庫県議会に求め、1万3千人の署名を提出。

■運動の問題点

 行政や企業の情報を早く取ることが大切だが、今の日本では難しい。会の運営は10余人の世話人でやってきたが、高齢化が進みメンバーの若返りが難しい。
工夫している点やユニークな方法論
 運動継続には財政面の安定が欠かせない。会費などのほか、さまざまなイベントと地場産品・出版物の販売で収入を増やしてきた。
運動を継続するためのポイント
 まなじりをつり上げた「正義の闘い」は長続きしない。誰でもできることを皆でやること。お互いのチョンボも権力のゴリ押しも笑い飛ばし、酒も飲んで楽しみながら行事をこなすこと。
(文責=青木敬介)

■現在の「播磨灘を守る会」のウェブサイト
http://www2.117.ne.jp/~eharima/

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