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行動派宣言!/せっけんの街

■月刊『記録』96年2月号掲載記事

■生命ある手賀沼を取り戻す

■運動の目標

 水生生物や鳥達が安心して生きられる手賀沼を取り戻すこと。水質汚染全国ワースト1の汚名は20年続いているが、汚染は横バイで推移している。周辺の市町村の行政の努力と市民の協力が表れてきていると思いたい。油を回収しせっけんに作り替え、せっけんの使用を啓発することで、手賀沼のさらなる浄化に努めたい。

■発足の経緯

 自分達の流した排水が手賀沼を汚染してワースト1となってしまった。そこで、せっけん運動の中から学びあった仲間達が中心となり、生活クラブ生協・柏市民生協・各市町村へと呼びかけ、84年8月に約1万人・2100万円の出資金が集まり、手賀沼せっけん工場を設立した。

■運動の歴史

 発端は1978年の合成洗剤追放集会だった。ここで合成洗剤全面禁止署名請願運動が開始された。さらに80年には、せっけん利用推進対策審議会の設置及び運営に関する条例制定の請願、直接請求運動の署名が始まった。しかし、手賀沼近郊に廃食油を原料にしたせっけん工場がないことから、82年にせっけん工場設立準備会が発足し、84年には市民出資のせっけん工場が完成し、手賀沼せっけん共有者の会が結成されるに至った。
 だが、翌年からの工場運営は苦難の連続だった。特に油とせっけんの在庫量には泣かされた。貯蔵タンクに入りきらない油がドラム缶に詰められ工場の周りに並んだことも、3キロのせっけん5千袋を千葉県内の行政施設に無料配布せざる得なかったこともあった。しかし、現在では毎月15トンのせっけんが計画的に生産され、日本全国で消費されるようになった。このような成果により、93年には中央学院大学地域文化賞を受賞し、千葉県環境ボランティアと地球環境基金から助成金をいただくことになった。

■今後の抱負

 水を知り、排水をきれいにすることは、自分達の体を守ることにつながる。日々の暮らし方が運動につながっている。私も30代でスタートして50代になってしまった。若い人達に活動の意義を伝えることも、これからの活動の大きな柱になっていくだろう。

■思い出深い出来事

 ネグロスでアジアの人々と交流する会議に出席した時、タイ・マレーシア・ホンコン・韓国・フィリピン各国の人達が、事前の申し合せがなかったのにせっけんを持ち寄ってくれた。日本から遠いネグロス島で、喜びと一緒に責任を感じた。

■工夫している点やユニークな方法論

 水俣せっけん工場・環境生協・川崎市民プラント・手賀沼せっけんで共同開発した運搬可能な粉せっけん製造ミニプラントを使い、せっけん作りを各所で指導している。

■運動の問題点

 活動の原点は廃食油をせっけんにリサイクルして利用を広めることにある。油をゴミとして出している人はせっけんも使いこなせない人が多く、逆にせっけんを使っている人は油を使い切り環境に対しても関心のある人が多い。廃食油回収のシステム作りとせっけん利用の請願や要望署名で採択されて市・町で油の回収を始めたところで回収量が増加してきたことは、流さない人が減少したことはよいが、使い切る努力をしなくなるのではないかと懸念している。

■運動を継続するためのポイント

 とにかくはじめの一歩を踏み出してしまったのだから、みんなでこの思いをつなげていくこと。(中岡丈恵)

■現在の「せっけんの街」ウェブサイト
http://www.sekkennomachi.org/

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