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元信者が視るオウム的社会論 第23回/上祐史浩の復帰

■月刊『記録』99年12月号

■年末にあの上祐がとうとう出獄

 いよいよ年末に、オウムの最高幹部の一人であるあの上祐史浩が服役を終えて出獄してきます。今は広島の刑務所に在監中で、出所後はそのまま教団に戻るようです。
  「ああ言えば上祐」という流行語まで生んだ彼が、また世間を騒がせることになるでしょうか?
 彼は確信犯的な存在でした。彼が逮捕される一ヵ月前に僕は彼と会っているのですが、幹部としてうすうす事件のことを知っていながら、時間稼ぎのために頻繁にマスコミに出たのだと洩らしてきました。
 早大のESSで学んだディベート術で世間を煙に巻いたのです。当時は「上祐ギャル」と呼ばれるおっかけなども現れて、自らの写真集などを出版したりして得意そうでしたね。

■もはや幹部不在で組織ボロボロ

 上祐逮捕後、オウムの対外的な活動は急速に弱まっていきました。上祐ほど弁舌に長けた人間がいないというのと、それから上祐クラスの幹部が軒並み逮捕されて、教団全体を統率できる信者がいなくなったからです。
 オウムという完全なるピラミッド型の組織の一番上の先端の人達が、逮捕されたり殺されたりして欠けてしまったのです。最上位の「正大師」という位のなかで残ったのは、まだ子どもである教祖の三女・アーチャリーだけでした。
 そのため、組織のまとまりがなくなって、脱会していく者や分派活動をする者が続出しだしたのです。先日オウムが活動を「休眠」すると発表したのも、オウム新法を施行しようとするお上の動きに今の幹部では対処できず、上祐が出所してくる年末まで死んだふりをして時間を稼ごうという意図があるのには間違いありません。 
■独善的パフォーマーの人望の薄さ

 ただ上祐には悲しいかな、人望があまりないのです。独り善がりで、個人プレーが多く、派手なパフォーマンスの裏側でしらけていた信者も多いのです。
 僕が現役信者時代に「アンチ上祐」の旗印を掲げて「決起」したときも、「よくぞやってくれた」「溜飲が下がる思いがした」と現役の信者たちから声をかけられたものです。
 だから上祐が戻ってくるだけで組織の求心力が急速にアップするとはとても思えませんね。
 それに対外的にみても、上祐にはマスコミに毎日のように出て意図的に嘘を吐きまくったという「前科」があるため、世間の風当たりも相当厳しいものとなるでしょう。「上祐が自分たちの町に来る!」なんてなったら、今以上の抗議運動が起きるのは必至ですからね。
 よって、上祐が出所しても今の混沌としたオウムの状況は変わらないでしょうし、いや、もっともっと問題が噴出し、カオスの渦の中に突入していくことになるでしょう。
 まあ、いずれにしても、この四年間で彼がどう変わったのか、獄中でどういうことを考えていたのか、出所してきたら一度は会って話を聞いてみたいものです。(■つづく)

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