« 患者よ、「がん治療」を選択せよ! | トップページ | 税金ドロボウ列伝・その2/林野庁 »

税金ドロボウ列伝・官僚も政治家もアホが多すぎる

■月刊『記録』97年4月号掲載記事

■消費税5%&減税打ち切り記念特集「税金泥棒列伝」

■【泥棒1】首都高速道路公団・農林水産省・国税庁
「官僚も政治家もアホが過ぎる」

何の権威も帯びずに官僚と戦い続ける2人が初対談。
快気炎は誰にも止められない!

天下の農民 川崎磯信(ヤミ米&どぶろく)
                  VS
中小企業のオヤジ 和合秀典(首都高500円通行)

(■川崎磯信……かわさき・いそのぶ……1936年、富山県婦中町に生まれる。中学卒業後、農業に従事。82年、減反政策を拒否したため、米の買い上げを拒まれ、やむなく米の販売を始める)

(■わごう・ひでのり……1941年、東京生まれ。都内の高校を卒業後、1971年より金属加工業「和合ダイカスト(現ユニティー)」代表取締役。高速道路500円通行の市民団体「フリーウエイクラブ」会長)

     *     *     *

■官僚はヤクザと同レベル

●和合 首都高速の500円通行の原動力となったのは、役人と警官が昔から大嫌いだったことですね。ふざけるなと思っていましたから。川崎さんは、いかがですか?

●川崎 私の場合は、役人をからかって追いつめたいという変な性格が災いしたのでしょう(笑)。役人が東といえば、西という性格ですから。普通、地方の村民は役人が東といえば西から戻って来ますから。1982年、政府の減反政策を拒否してから、役人との闘いが一生の仕事になりました。

●和合 川崎さんの家が「ガサ入れ」されている様子をテレビニュースで見ていた時、川崎さんの家族から物を投げつけられても役人は無表情に自分の仕事をこなしていましたね。善し悪しの判断は上に任せて、自分はロボットのように決められたことだけやる。運ぶとなったらヤリが降っても運ぶ。これこそ役人の体質です。

●川崎 そうです。昨年10月5日に、国税庁から14人ほどガサ入れに来た時、小競り合いになって私が転んでしまいまして、『どうするんだ。傷害罪だぞ』と役人に言ったら、『私はその係ではありません』と答えるのです。彼らは自分の仕事だけにしか、興味がありません。

●和合 薬害エイズ問題だってそうじゃないですか。毎日、患者が死んでいくのに、事実を隠し続けるわけでしょ。行政の仕組みとしての欠陥以前に、人間性の問題です。自分達の仕事をして、自分の縄張りを守ることができれば、隣で人が死んでも気にしないという態度ですね。

●川崎 欠陥人間でないと、役人は務まりません。役所に入った瞬間から、そういう人間に育てようとしています。
和合 以前、首都高速の入口で、私の車の前に大の字になった公団の職員が現れました。『どうしても通るなら、オレを殺して通れ』というわけです。まるでヤクザの世界でしょ。
 その後、首都高速道路公団に乗り込んで、『お前らふざけるな。大の字に寝た職員がいたけれども、こんなこと指示しているのか。ヤクザか、お前らは』と、怒ったわけです。そうしたら一部始終を聞いた公団の幹部からは、驚くべき答が返ってきましたよ。『和合さん、なるほどそんな骨のある奴が1人いましたか』と賛美するんです。『私どもの監督不行届です。どうもすみません。以後気をつけますから』という答が返ってくると思っていたのですが。
 その後、建設省をはじめさまざまな官庁に出向いて、この話をして意見を求めて来ましたが、答はすべて同じ。『たいした男だ』と、皆が賛美します。
 この事件があってから、役人の住む世界が私達とは少し違うなと思うようになりました。
■役人の脅しに屈するな

●川崎 結局、役人は自分の組織を守るために動いていますよ。

●和合 そう、だからこそ役人は、昨日と今日は同じように維持しようと努力するのです。時代にそぐわなくなった酒税法を後生大事に守っていたのは、その典型でしょう。

●川崎 現在でも、酒税法によって2100人ほどの役人が養われています。さらに国税庁からサッポロやキリンなど大手酒造メーカーに天下り、のうのうと暮らしている連中もかなりいます。つまり酒税法は官業の癒着そのものを示しているのです。この癒着を守るため、がっちりと組織がつくられていますから簡単には崩れないでしょう。

●和合 役人は組織を守るために、小さな動きを潰そうしますから。500円通行を始めた当初、130人ぐらいの賛同者のほとんどは潰されてしまいました。いまは10人ぐらいですよ。
 首都公団の役人が3人1組で自宅に行くわけです。100円集金に来ましたといってね。『お宅のお子さん、あるいはお宅のご主人は100円払ってません』と、5・6時間ねばるわけです。それでも払わなければ、会社に集金に行きます。それを皆やられて、『和合さん、申し訳ないけれど1回しか500円通行できなかった』と言ってきました。

●川崎 逆に役人の脅しの部分を怖がらなければ、それが彼らへの脅しになるんです。例えば、刑事罰も怖くないと言い切れば逮捕できないんですよ。
 裁判でもそうです。利口ぶる必要は全くありません。馬鹿になりきったほうがいい。素朴な質問をしながら法律の欠陥を指摘していくと、最初反発していた役人も次第に従順になります。問題は、従順になってからどうするのかです。さらに突っ込んでいくか、それとも役人と妥協するか。
 例えば私の作った米は、どの品評会に出しても一等です。でも、それが逆にくすぐったいというか、性に合わんのですよ。一方、役人から言わせると、あれだけ目をかけている川崎がどうして逆らうのかということになります。

●和合 私は、役人に権力はないと思っています。税金で飯を喰っている奴がどうして権力を持っているですか。でも、国民は役人に従うんですよね。

●川崎 日本人は、上の言うことは間違いないという固定観念があります。不審に思いません。そういう意識を役人はうまく利用しています。

■役人を崇拝していたい日本人の習性

●和合 私は、日本人がここまで従順だとは思っていませんでした。当初、500円通行は半年で片がつくと思っていましたから。
 2年8ヶ月ほどの間に2回の値上げが行われて、400円から600円になったのを思えていますか? 民間企業の常識では50%の値上げなんて考えられません。その時、私は絶対に払わないから矢でも鉄砲でも持ってこいと決心しました。国民も警察は怖いけれど、私が法律の欠陥を指摘して堂々と500円通行すれば、追従する人がたくさん出てくると思ったわけです。でも、追従した人の多くは潰されてしまいましたね。

●川崎 国民も役人には頭にきているけれども、徹底的に叩きのめして改革するのは嫌なのでしょう。法律に従順だから、罪悪感を感じるんです。ヤミ米を売ることや、首都高速を500円で通行することが悪いと思ってしまいます。けれども本心で悪いこととも思っていない。悪いと言われるのが嫌なのでしょう。
 私の闘いの中で一番大変だったのは村でした。国から減反やれといわれて反旗をひるがえした時は、一番村から叩かれました。村八分というか、全部敵。そのころは大変でした。今になって手のひら返したように「銅像立てる」なんて言っています(笑)。

●和合 確かに500円通行を始めた時は、みんな味方になってくれと思っていて、これは世の中喝采するな、若者は後に続くなと、私も思っていましたから。

●川崎 理論では皆賛成している。ところが、いざ実行に移すと皆反対します。ある程度以上に役人を叩こうとすると、『もう止めたほうがいい』という声が強くなります。ムシロ旗を立てて役人の前までは行きますが、なかに押し入って直談判する人はいません。

●和合 それが農耕民族である日本人の特徴です。罰より村八分が怖いのでしょう。

●川崎 最初は本当にひどかったです。村からは犯罪者のように見られていましたから。

●和合 民衆が正義を受け入れるとは限りませんからね。

●川崎 結局日本人は、お上も下々も好きなんです。役人を崇拝していたい習性があるんですよ。

●和合 それは自分が楽だからでしょうね。

●川崎 役人を叩きつぶすことに対する危機感といったものがあります。本当は、絶対に信頼できるものを求めているのでしょうけれども、そうもいかないから役人を信じているのです。役人に不信を持ったいても、役人以外信じる人がいない状況ですから。

●和合 そんな日本人の性格を、役人はさらに利用します。強いところには何もいわず、弱いところをどんどん攻めます。お金でも何でも、取れるところから取ろうとします。役人は、『500円通行も和合1人ならいい。それが広まったらかなわない』といいました。
■あきれた政治家の無能ぶり

●川崎 国民から不信感を抱かれても、どうにか今のシステムが機能しているから、役人も安泰でいられるんです。だから役人の世界を変えるためには、100円でもいいから支払いを拒否することです。
 ヤミ米を売っている私の「川崎商店」も株式会社ですが、税金の申告は拒否しています。ところが国税局は何もいってきません。

●和合 でも、役人の人事権を持っているのは政治家でしょ。本当に悪いのは、政治家ではないですか?
 そう考えているため、ここ何年かは公団のバカを相手にしてもしょうがないと思い、相手にしてしていませんでした。そのかわり、政治家を引きずり出そうと、ガンガンやりましたよ。だいたい20~30回電話やファクスをかければ、何かしら反応があります。本当に世直しをしようとするなら、官僚を叩いてもしょうがない、政治家にならなければだめだと思いますよ。もっとも今さら頭を下げて、政治家になろうとは思わないけれども。

●川崎 政治家はアホですからね。評価の対象外でしょう。そのうえ政治家は、族議員としての力関係によって、見方になったり、敵になったりしますから。酒税法なんて竹下登が生きている限り法改正はしないと噂されています。現在、現役の220人もの国会議員から酒税法改正の署名はとっているらしいのですが、族議員がストップをかけています。

●和合 結局、法律を決める基準がどっかにいってしまっています。法律は国民のためにあるわけです。ところが族議員のためとか、決定の基準が歪んでいるのです。その歪みをまず正さなければダメですね。それは政治家しかできないと思いますが。

●川崎 でもあの連中では、正常な議論はできないのです。それに実際には、今の政治家に立法能力はありません。だから役人の砦はなかなか崩れないと思います。

●和合 たしかに、元建設大臣の野坂浩賢が『首都高速の値上げはダメだ』と官僚に一言言ったら、『ご説明申し上げます』と1日20人ぐらい官僚が訪れて、山ほどの資料を使って説明したそうですから。それでみんなやられてしまうと、野坂氏の秘書から聞きました。
 そして議員の頭にあるのは、次の選挙をどうしようということだけでしょう。今後日本をどうしていくのかなんて、全く念頭にないわけです。

■最後の敵は日本人そのもの

●川崎 日本テレビの対談で、当時、農林水産大臣だった畑英次郎と話をしたことがありますが、彼は『悪法でも法は法ですから』とバカなことをいいましたよ。

●和合 それはひどい。自分は無能ですといっているのと同じですね。なんといっても国会議員は、立法機関である国会に出席するのが仕事ですからね。

●川崎 そんな政治家の無能ぶりを役人が利用しています。役人がいなければ、政治家は務まらないのが現状です。

●和合 そういう意味では、役人もかわいそうといえば、かわいそうなんだとも思いますね。親分がアホだから、右往左往しながらめった打ちにあっているわけでしょ。
 行政改革でも大臣が指示を出すべきですよ。官僚が自分のリストラを自分できるわけないでしょう。

●川崎 それはそうですね。官官接待が問題になっていますが、それを取り締まる法律がありませんからね。自分を取り締まる法律を、役人が自分で作れるわけないのに。

●和合 菅直人がエイズ問題を大きく前進させたように、今後は政治家がどんどん変わっていくと信じたいし、変わらなきゃだめでしょう。川崎さんが大臣になったら日本も変わるでしょうね(笑)。

●川崎 町長レベルならば、本当にがんばれば私も当選するかもしれません。でも、変わらないでしょう。役人に追従しなければ、町長なんてできません。中に入ったら、崩すことはできないでしょう。

●和合 それでは、どうすれば日本は変わりますかね。

●川崎 明治維新と同じでね。関東大震災か食料問題で、せっぱ詰まって地獄をみないと日本は変わらないと思います。革命が必要でしょう。今度の革命はすごいと思う。江戸時代から続いて戦後も持っている日本のシステムが崩れますからね。
 私は号令的な内閣が必要だと思いますよ。日本人はそういうものに弱いですからね。だれかに日本人は命令されないとダメですよ。中心がないと日本は不安定です。天皇陛下を中心に立てたいですね。あれを遊ばせとく手はないでしょう。

●和合 そうですか。私は何とかなると思っているんですよ。時代は変わってきていますから。今は夜明け前の暗闇みたいなものです。そのうち若者が500円で、首都高速を通行するようになるはずです。

●川崎 確かに国民が変われば、日本は変わるでしょうね。変な話ですが、役人や検事に話した方が話がわかってもらえることが多い。日本の末期的な状況の責任は国民にあるのです。

●和合 例え金魚鉢の中に暮らしいたとしても、人間の脳味噌は自由ですから、外の世界を考えてみるように心がけてほしい。当たり前になっていることこそが変だと、国民が気づかなければいけませんよ。

●川崎 役人の責任を追及すると、その責任は国民に返ってきますね。最後の敵は、身の回りにいる人だ。そこがやりきれないですね。

●和合 いや、2000年までには日本も変わりますよ。

|

« 患者よ、「がん治療」を選択せよ! | トップページ | 税金ドロボウ列伝・その2/林野庁 »

月刊『記録』特集モノ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/389724/7114394

この記事へのトラックバック一覧です: 税金ドロボウ列伝・官僚も政治家もアホが多すぎる:

« 患者よ、「がん治療」を選択せよ! | トップページ | 税金ドロボウ列伝・その2/林野庁 »