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天下り用ファミリー企業をぶっ潰せ!

■月刊『記録』02年9月号掲載記事

■天下り用ファミリー企業をぶっ潰せ!/文・本誌編集部

 道路4公団の民営化論争が、もめにもめている。民営化を進めたい道路関係四公団民営化推進委員会(民営化委)と、道路族が集う自民党道路調査会の検討委員会、両者の主張は真っ向対立している。
 道路の利権を確保したい政治家と、小泉純一郎首相から「最終的には『上場』を目指す」と公団の民営化を指示された民営化委では、立場が違いすぎる。簡単には歩み寄れないだろう。国民にとっても、この議論の賛否は難しい。道議員に税金がばらまかれるのも悔しいが、民営化とともに高速道路の永久有料化が決定するのも釈然としない。それより27兆円もの赤字を積み上げた道路4公団が、いけしゃあしゃあと存続しているのに腹が立つ。
 道路公団が抱える巨額の借金は、不採算路線の建設だけが原因ではない。天下りを抱えるために、儲かる業務をファミリー企業に配分してきた結果である。驚いたことに、日本道路公団の子会社と関連会社の計82社は、2000年度決算で1000億円を超える余剰金を蓄えていた。『読売新聞』(2002年8月20日)によれば、最も余剰金をため込んでいたのは、高速道路の休憩施設に設置される道路案内などを委託しているパブリスで、「前期までの剰余金に2001年3月期に計上した当期利益約1億5400円を追加し、剰余金は64億2600円に上った」という。口アングリである。この不景気に64億もの余剰金を蓄えているとは……。
 高速道路そのものは、巨大なビジネスである。道路に入るためには高速料金を徴集する人員も必要だし、道路を照らすライトや看板なども膨大な量だ。そうした施設のメンテナンスも金がかかる。入ったら出られない高速道路だけに、サービスエリアのレストランは高くても、まずくても客が入る。こうした事業を、随意契約で関連会社や息のかかった子会社に振り、収益の多くを天下り社員で山分けしていたのである。その上で公団を赤字に仕立て上げて累積赤字を積み重ねてきた、というわけだ。
 今から3年ほど前、「道路サービス機構」と「ハイウェイ交流センター」という2つの財団法人を取材した。日本全国にあるサービスエリアの経営を一手に引き受けている財団法人であった。
 この2つの法人の前身は、悪名高き道路施設協会。天下り先のファミリー企業に利益を分配して赤字経営に見せかけていた手法がバレ、98年に前述の2つの法人に分割となった。そのとき「公益法人の理事のうち同一官庁などの出身者の占める割合は全体の半分以下にする」という閣議決定にも従うことになった。
 ところがである。この2つの法人は、無報酬の非常勤理事ポストを増やして民間人を採用。「全体の半分」にはなったものの、天下りの人数だけは確保したのであった。
 当時、2つの団体は、次のように取材に答えている。
  「よく天下りなどと批判されておりますが、私どもは『天下り』などと呼んでおりませんし、そのようにも考えておりません」(ハイウェイ交流センター)
  「(天下りは)適材適所だと感じております。業界に精通し、その専門性を活かして指導育成をしていただいている。これは必要だから来ていただいているのです」
 こんな戯言を、職員が当たり前の顔でしゃべるのだから驚く。つい最近も首都高の料金を700円から800円に値上げしようとして、こんな時期に職員の意識が低いと批判されていたから、「利益のためなら批判など気にしない」という姿勢は、当時のままらしい。
 民営化への議論に決着がつかないなら、とりあえずファミリー企業を撲滅すべきだ。きちんとした競争原理が働けば、天下りだけを養う会社などなくなるのだから。(■了)

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