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首都高速道路500通行の正義 第17回/でたらめ審議会とでっち上げ答申

■月刊『記録』96年2月号掲載記事

■4人に1人が管理職

 前回にも申し上げたように、私の首都高速道路公団理事長就任の暁には井口人事課長はクビにします。何といっても彼は改革に役立たないからです。なぜならば彼はコバン鮫だから。良きにつけ悪しきにつけ改革にコバン鮫は不要です。その点リーダーシップをとっている岩手のナマハゲの方がまだ使える。根性は焼き直す必要がありますが、こういう手合いは一度理解するとすばらしい能力を発揮する場合があります。
 もちろん、理事長である私に少しでも逆らうと停職3ヶ月に処します。ボーナスカットはいわずもがなで、昇給もストップとします。3ヶ月後に出社しても態度が悪ければ、そのまま停職延長となる場合は十分あり得ます。どんな些細な失敗も許さず、即延長となります。例えば、顔つきが悪いと延長になります。常に笑顔を絶やしてはいけません。しかし、あまりニタニタして鼻毛が見えるようなことがあると、もうこれは懲罰もので、社会復帰は絶望的とみなされます。これは揶揄して言っているのではありません。お客様あっての仕事では当然のたしなみです。どうだね、ナマハゲ君。
 そもそも課長だの部長だの首都公団には実に管理職が多い。その実体が菊地氏の本から判明した。驚くなかれ、全職員1600人、うち420人が管理職である。4人に1人強が部長だの課長だの呼ばれているわけです。しかも、その半分が部下のいない管理職だというから驚く。その理由も面白い。退職時の役職で次の職場である天下り先の給料が決まるために退職近くなると、部下にいない全く実体のない管理職に昇格・昇給させるるのだそうだ。いわゆる温情人事である。
 公団上層部は部下の面倒を見ているつもりなのだろうが、我々の財布で面倒をみられてはたまらない。利用者不在の全くヒトをバカにした話である。その上天下り先の給与とやらも、税金、つまり我々のカネじゃあないですか。あまりのレベルの低さに気のきいたコメントも思いつかない。何をかいわんやである。

■永久有料とは何事ぞ

 かくして延々と公団の問題点を書き並べ、少しは反省したのかと思いきや、昨年12月に入ってからマスコミからの取材や問い合わせが頻繁にあった。聞けば、「有料道路の値上げなどを審議する道路審議会有料道路都会で答申を出した」という。どんなものかというと、現在の30年間償還となっている有料道路を永久有料にすることが望ましい、ということらしい。あまりにもバカらしいこの答申に対して、マスコミ諸氏がわが輩のコメントを求めてくるのです。好き勝手にいろいろ言わせてもらいました。
「これは、『30年後無料』の手形を1回も落とすことなく不渡りにしたのと同じである」。
「皆さんもよく考えてほしい。全く同じことが民間で起きたら訴訟ものである。子どもの世界であれば殴り合いの喧嘩になる。これほど分かりやすい約束違反である」。
「世の中では価格破壊が進み、未曾有の不景気の真っ直中にある。時代錯誤もはなはだしい。新時代の息吹を感じないのか。選び抜かれた知識人の集まりだろうと思うが、道路の原点に戻って無料をめざすならばまだしも、永久有料とは何事ぞ、無責任も甚だしい。審議会メンバーはすでにボケているのではないのか」。
「なぜ、私をメンバーに加えないのか。審議会は国民側の代表意見を政府に具申しなければならない使命を持ち合わせているはずである。和合秀典は非才なれど、この問題に関しては発言者として有益であると自負している。さすればこのような最悪の答申は避けられたはずである」。
 中心メンバーを聞いてまたまたビックリ。
 まずは部会長の中村貢日本大学教授。何歳ぐらいの御仁か知らないが、部会長で教授というからには、そこそこお年を召した方だろうと推察します。官僚御用達の典型的な御用学者なのでしょう。教授かどうかは知らないけれど、部会長としてこんな答申を出すなんて、すでにボケ老人か?すぐそこまで押し寄せている新しい時代の風を感じないのか?ボケ教授の講義を聞いている学生諸君は哀れであり、実に残念なことに、日本の将来は絶望的です。私の息子は絶対に日大には入れない。
 水元洋委員は帝都高速度交通営団総裁。要するに完璧な天下り官僚じゃないですか。税金で生計を立てている輩が何を言うか。答申など片腹痛い、恥を知れ。
 宮繁護委員の肩書きは「財団法人 道路施設協会理事長」。何だこれは。建設省の天下り人事の極点にいる人物ではないか。利用者側からものをいう資格は全くありません。
 横島庄治委員は日本放送協会解説主幹だそうです。要はNHKの大物。環境・都市・交通・地方自治問題で知られた人物とのことですが、「皆様のNHK」などと言いながら、返すと約束した期限を無視して、永久にカネを取れなどと言っています。ジャーナリストといいながら、一皮むくと官僚なのです。

■「道路は無料」が原則

 まあ、簡単にまとめると、この答申は御用学者を頂点に仰ぎ、官僚出身の委員とほとんど官僚の民間人当たりがでっち上げた、我々利用者の声など全く無視した何の意味も持たない代物なのです。完璧なエセ審議会から生まれたエセ答申と言い換えてもいいでしょう。こんなものが白昼堂々とまかり通ってはかないません。官僚どもは例のごとく、「審議会の答申を尊重し重要なものとして謙虚に受けとめ、選択肢の1つとして考えていきたい」とか何とかいって立法化の方向に向けていくのでしょうが、そうはさせない。必ず阻止してみせる。
 それにしても、これは法律違反とならないのか?
「道路は管轄地域が維持、管理をする」という道路法の原則があり、30年償還のタガをはめられた時限立法の特別措置法があり、その上またもや永久有料とする立法をめざすという。日本の国に、道路料金の形態が全く異種の3つの取り決めが存在できるわけがない。何かがおかしいのです。
 目的からはずれたところで、いろいろといじくり回しているうちに、何かがおかしくなってしまったのでしょう。一生懸命に走っているうちに方向音痴になってしまったようなものです。
 その上、とんでもない方向へ走っていることを正当化するために、次から次へとヘンテコな理屈をくっつけるものだから、今では何が何だかわからなくなってきています。「利用者の利便」などは、とっくの昔にどうでもよくなっていることは言うまでもありません。部外者の私からは、あさっての方向へと一生懸命に走っているのがよく見えます。だからこそ原点に戻って正しい方向へ向きをかえなければならない。「道路は無料」が原則なのです。
 これだけ分かりやすい約束違反に対して、審議会内に正しい意見が出てこないのはなぜなのだろう?審議会は利用者側の声を代表した正しい意見を具申すればいいし、答申に対して実施責任を負うものではないのだから、正しい、いや百歩譲っても「有力な意見」である無料化の答申を出すことがなぜできないのか?
 これは謎です。日本国における最大の謎でしょう。考えてみると日本には同種の謎がたくさんあり、どう考えてもおかしいと思われる意見が新聞紙上を飾るのです。小学生でもわかることが国の問題となると意味不明になってくるから驚きます。
 たとえば、「仮想敵国」であったはずのソ連が崩壊しても自衛隊の予算が膨れ上がり、それに対して社会党出身の首相でさえ異議を唱えません。税収が減少すれば、まず支出を抑えることが必要に決まっています。子どもでもわかる理屈でしょう。自衛隊や首都公団のような存在をまず何とかしてスリムになるべきです。ところが、支出削減などおくびにも出さず、単に「消費税を10%にする」と小沢一郎の殿はのたまう。すると驚くことに、「言いづらいことをよく言ってくれた」などとコメントする馬鹿がいるわけです。ここに政治の不在があり、改革のできない謎があります。そして、500円通行をフィルターに世の中を眺めるたびに、この謎は深まっていくのです。(■つづく)

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コメント


 和合さんは過激ですし、高速道路未払いは確かにやりすぎだとは思いますが、演説を聞いてみると共感できる部分もおおいなぁと思います。

 よかったら聞いてみてください。

http://www.youtube.com/watch?v=SVDAJeRACkY

投稿: 浪花の感情線ドライバー | 2009年2月27日 (金) 17時51分

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