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大使館は世界への窓 第8回/キューバ共和国

■(月刊『記録』95年4月号掲載記事)

■「真の経済発展をめざす」/エドゥアルド・デルガード・ベルムーデス大使に聞く

 今年、キューバ国民はキューバ革命36周年を迎えた。
  革命によりキューバを支配していた軍事独裁政権が倒れ、根本的な社会・経済・政治改革の道が開かれた。
   この過程によってキューバ国民は真の自由と独立を達成し、あらゆる形の不正義と社会差別をなくし、真の経済発展を開始し、強力な教育・文化、スポーツ運動を作り上げ、長年夢見てきた社会目標を達成した。公衆衛生、教育、スポーツ等におけるキューバ革命の実績は、国際社会でも認められている。
   しかし、わが国は過去4年間、経済的に非常に困難な時期に直面してきた。低開発国という条件と、33年前から続く米国の経済封鎖の極めて否定的な影響に加えて、旧ソ連とコメコンの消滅により、キューバは主要な市場と、それら諸国との経済関係を規定していた平等な交易条件、技術・原料・経済協力の主要な供給源を失った。その影響は非常に深刻なものであった。
   1994年は経済回復を目指し、基本的サービスと、公衆衛生・教育・スポーツの分野で達成された社会成果を維持し、今日のキューバ社会を支配する社会正義と平等原則を損なわずに、経済回復を助ける効果的方策を実施することに努力を集中してきた。全体的な情勢が引き続き否定的なものであるなかで、高い成長率を維持してきた観光産業をはじめ、ニッケル産業、軽工業など回復の兆しを示した経済部門もあった。外国企業との合弁・投資の契約が進み、その数は165社・26経済部門に及んだ。
   旧国営農場耕作権の新形態の協同組合、個人農業への移行、需給関係に基づく価格によって運営される農畜市場の開設、採算の悪い企業への補助金削減の財政措置、より完璧な税制の創設、その他の財制健全化のための措置、それらが成果を生み始めている。
   他方、米国との移住問題では不安な機運をつくり、キューバの国際的イメージを傷つけるために、キューバ人の不法出国を刺激するという米政権の従来の政策の結果、94年前半に状況が深刻化した。しかし、9月9日の両国政府の協定により新たな段階に入り、秩序ある合法的かつ安全な移住のための条件が整えられつつある。
  昨年11月、国連総会は3年連続して米国による対キューバ経済封鎖の不法性を宣言し、摘発を求めた。評決では、賛成票が圧倒的多数の101ヶ国であったのに対し、反対はわずか2票だった。
   近年、日本との文化・スポーツ交流が著しく拡大され、またキューバ経済が直面する困難な情勢にもかかわらず、重要な貿易経済関係が維持されたことを明らかにできるのは大変うれしい。キューバの音楽・美術・文学・映画への関心がますます高まっていることや、皆さんがわが国の野球、バレーボール、柔道などの関心を寄せておられるのを知るのもうれしいことだ。
   わが国の国民とフィデル・カストロ議長、キューバ政府に代わり、日本とキューバの関係が引き続き発展し、相互理解と意見交流、人的交流が深まるよう望むと共に、日本国民の皆さんの幸福をご祈念する。
(■つづく)

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