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行動派宣言! /全国じん肺患者同盟長崎県連合会

■月刊『記録』94年7月号掲載記事

■「継続は力なり」を理念として/全国じん肺患者同盟長崎県連合会

①運動の目標

 ①労災保険法、じん肺法・労基法等の改悪阻止の運動の継続②労災保険遺族保証並びに葬祭料の不支給事件に対する是正を求める運動の強化③じん肺症は「全身性疾病である」との法的認知を早急に実現を求める運動の強化④じん肺有所見者(潜在患者)の救済活動の継続強化⑤じん肺の根絶と全被災者の救済を目指す「じん肺訴訟」の支援継続の運動強化⑥会員・准会員・ご遺族との相互扶助と親睦交流の拡大と、物故者の慰霊に関する事業の継続強化⑦同盟本部・友誼団体との運動の研修・親睦交流強化。
 発足時から昭和50年頃までは、もっぱら組織拡大に活動の主体がおかれたが、53年のじん肺法改正、翌年の労災保険法改正等に伴い、療養と保証への危機感が強まり、運動の実践強化が全体の意識として確立してきたといえよう。

②発足の経緯
 若干の推測も加わるが、昭和30年7月けい肺特別保護法(外傷性背髄障害者と抱き合せ)の制定、臨時措置法が33年5月に発足した。また、東京石工・土連総連の運動の継続と合せ、よろけ病撲滅の運動をはじめた。足尾銅山被災者と労働組合の運動が奏功し、35年に「じん肺法」が制定施行されるという歴史の流れと、全ての患者の団結と連帯した運動の体制作りこそ、重要との呼びかけに呼応したといえよう。

③運動の歴史
 基本方針を毎年度開催する「全国代表者大会」において協議し、当面した最重要運動事項をまとめ、労働者を中心に「療養と補償と医療福祉」に関連した各省庁に対し陳情交渉を行ってきた。
 昭和55~56年頃から「中央委員会」を構成し、各地方から選出された中央委員と、同盟本部役員の合議によって「当面する運動課題」をまとめ、労働者(中央労働基準局)を中心に運動を継続。
 長崎県連合会では、個別毎に発生した諸問題は、直ちに関係する行政窓口と対応した問題処理を行っている。

④今後の抱負
 基本理念は「継続は力なり」。法律と施行規則等、法と規則の運用に、不合理と矛盾が残されている現実に対し国会への対応と労働者への個別的問題発生と機敏性のある対応など、過去の運動をしっかりと総括し反省して、体制の再構築が必要である。

⑤思い出深い出来事
 じん肺の根絶と全被災者の救済を究極の目的とした、いわゆる長崎北松じん肺訴訟。日本初の石炭鉱山労働者のじん肺被災者が、被告企業の責任を追及する提訴を、昭和54年11月1日に行ったが、準備体制作りに、52年秋から奔走し、実現させた。
 労災保険法による遺族補償並びに不支給事件に対する、遺族からの要請に応じた不服審査請求を百数十件実施し、原処分の取消しを6件成功させた。
 労災保険による遺族補償並びに葬祭料不支給事件に対する、約百件の再審査請求を民主的有力弁護士と協力し合って実施し、原処分の取消しを4件成功させた。
 かつての親しき仲間であった会員で死去された、物故者の慰霊事業を県連合会の発足と同時にはじめて21回を終えたが、ご遺族の感謝の念はますます高まり、「運動とは形ではない、心から燃え立つものに尽きる」ことを教訓として学んだ。

⑥工夫している点やユニークな方法論
 世話活動に当たるすべての人々が療養患者であるので、県連本部役員のみでは体制が弱く、また行動効果にも低さは免れぬため、大きな世帯会員数を保持する支部長級(5人)を、県連本部役員に準じて、県連本部役員会(年6回)にも出席して頂くと共に、行動についても「各個の体調、地域条件」に従って協調行動を行い、問題処理の遅滞を防ぎ、幅広い助け合いできびしい患者運動を維持するために苦心している。

⑦運動の問題点
 ①直接携わるすべての人々は、同時に療養中の認定患者であるから、その時点における体調によって、行動に大変制約を受ける。
 ②世話活動に当たる患者の高齢化と病気の悪化は必然の傾向であり、後継者の育成で大変苦境に立っている。

⑧運動を継続するためのポイント
 ①犠牲的奉仕精神の強い後継者育成に努力を怠らぬこと②法律(療養と補償と医療福祉)に対する研修は怠らず、問題点の整理をしっかりと行い、先見性に立った説得力のある理論によって、陳情交渉を行い、成果を引出す工夫が必要③療養と補償の関係は、その根本が法と制度の運用にあり、国会審議にゆだねる度合いにあるので、一人でも多くの超党派の国会議員の理解と協力を得るための努力をいっそう強めること。

■■■ことばメモ
【じん肺】
 職業病の一つで,長期間にわたって吸入された多量の粉塵が肺に沈着した結果、肺に広く繊維増殖性変化(肺繊維症)を起こす病気。肺胞への空気の出入りが悪くなり息切れが起こる。病気が進むと,呼吸困難などの自覚症状が起こる。
 長崎じん肺訴訟は、85年の長崎地裁判決で、患者20人分の請求を時効を理由に退け、43人分について一人当たりの慰謝料を2300万円から1000万円の3ランクに算定。89年の福岡高裁判決は、患者30人分の請求を時効とし、一人当たりの慰謝料を1200万円から300万円の四ランクに算定した。じん肺は、症状が重くなるにしたがって管理区分2から管理区分4まで大まかに三段階の行政認定を受ける。
94年2月の最高裁判決で、可部恒雄裁判長は、最大の争点になっていた時効の起算点について、「患者にとって最も重い行政認定を受けたときから時効が進む」と患者側に緩やかな判断を示して、二審で逆転敗訴になった10人の患者について「時効は成立していない」と認めるとともに、33人については、二審の慰謝料額の算定を「低きに失する」とし、合わせて患者四十三人分の審理を福岡高裁に差し戻した。残る患者22人分については、最高裁の判断でも時効が成立するとして、原告側の上告を棄却した。(■つづく)

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