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首都高速道路500交通の正義/フリーウェイクラブ会長・和合秀典

(月刊『記録』94年7月号掲載記事)

■恥を知れ!何がお上だ! 和合秀典

はじめのご挨拶
 私は和合秀典と申します。
  趣致高速道路の値上げには絶対に反対です。どんな天変地異が起きても、これを阻止します。こんなふざけた話はないからです。
 ご存じの方も多いでしょうが、現在700円の首都高道路を500円で通行しております。87年に500円から600円に値上がりして以来ですから、もう7年にわたっています。
 改めて申し上げます。首都高速道路の値上げには断固として反対します。500円通行はそのときが来るまで止まることはありません。自衛隊一個中隊を持ってしても阻止は不可能なことです。
 この運動は楽なものです。職員が何人こようが、弁護士が何人こようが、必要なときに500円で通ればよいのですから。
 賛同の方は、わがフリーウエイクラブにご入会下さい。トラブルの一切は、会長である私が引き受けます。クラブ専用の通行証明書に500円玉を貼って、料金所で渡すだけです。

■無料開放の年に言い出された値上げ

 今年5月24日、私は日本道路公団の料金値上げのための公聴会に公述人として出席し、永野健日経連会長らとともに、反対の意見を述べました。かつて首都高の公聴会でも発言しましたが、要するに、この不況で、民間が爪に灯を灯すようなリストラをしている最中に、組織の見直しなど全く考えず、いけしゃあしゃあと値上げを言い出す役人根性が許せないのです。
 私は小さな金属加工会社の経営者で、不況の苦しみは人一倍です。同時に堂々たる日本の主権者です。何で無反省の公僕に、いわれなき弾圧を受けて黙っていられましょうか。
 そもそも首都高の有料料金制は、戦後の壊滅的な日本経済を立て直すための、我が優秀な官僚たちによる超ウルトラCでした。本来タダの天下の公道から通行料金を取るという超法規的な法律、道路整備特別措置法の制定です。
 もっとも、それだけでは国民の支持は得られないという程度のたしなみは当時の官僚にはあったようで、同時に30年たった後に無料開放との約束で開通しました。番外として、天下の公道を有料とする唯一の条件が30年満了後の無料開放だったのです。それが、今や官僚の悪徳の結果、すさまじい化物法と化してしまいました。
 30年の約束です。長い間待ちました。そしてやっとその日がやって来たのです。1993年がその待ちに待った無料開放約束のまさしくその年だったのです。
 ところが、約束は守られるどころか、驚くなかれ、公団は何と値上げを打ち出してきたのです。
 恥を知れ!何がお上だ!一体全体利用者を何だと思っているのか。これほど利用者をコケにした話はないではないか。私の抗議に対し、彼らはシレッとして言い放ちました。「決められたことは守ってもらわなければ困る」と。私は「お上」の存在を認めません。したがって決めるのは国民です。公団や建設省の木っ端役人は、自分をお上だと勘違いしているんじゃないか。たわけたことだ。私と首都高とのデスマッチは、官主ではなく民主主義が健全に機能していれば、ニュースにならない出来事なのではないでしょうか。

■官制パフォーマンスに弱い国民

 横浜のレインボーブリッジ開通で「若者のデートコースにピッタリです」などと、通行料金値上げに向けて、公団は大いなるパフォーマンスを展開しました。日本の国民は「お上」のパフォーマンスに実に弱いものです。何が正しくて何が悪いのかも判断できなくなってしまいます。そのことを官僚は熟知していて、やたらとパフォーマンスします。そして「決められたことは守らなければいけない」と集団催眠をかけるのです。気を付けなければなりません。
 さて、偶然の一致というものは恐ろしいものです。レインボーブリッジのお祭り騒ぎの日は、500円運行1000回記念日でした。我が方も大いに盛り上がり、すこぶる楽しい時を過ごしたのです。双方の大いなる盛り上がりは値上げに向けてのデスマッチ開始ゴングとなりました。新鮮な闘志が湧いてきます。

■総勢40人で8万円を差し押さえ

 首都高速公団は実にアンフェアーです。「天敵和合」などと、値上げに向けたなり振り構わない和合つぶしは全くみっともない。
 昨年の夏の暑い盛りでした。首都公団職員やら弁護士やら総勢10人が、私の個人財産を差し押さえたのです。
 午前9時に金融機関のシャッターが開くと同時に、見張り役に職員4人を残し、公団の一群が雪崩れ込みました。首都高お抱えの上野弁護士ら計6人が、国税のガサ入れさながらに、六法全書を片手にドカドカと入り込み、けげんそうな顔で見守る一般客を尻目に、上野先生が「和合秀典はとんでもない奴である。お上にたてつく不届き者である。600円の首都高速道路を未だに500円で通行している。よってここに首都高速道路不法通行により和合の私有財産差し押さえする」と叫んだとのことです。
 金融機関側が「裁判所の支払命令書はお持ちですか」「何か税務署の通知書はお持ちですか」と質問すると、上野先生は六法全書を開いて、「ホラ書いてあるでしょう?通行料金は税金に準ずる、と」とまくしたてました。税務署ならいざ知らず、首都高速公団が個人の財産を直接持っていくなど聞いたことありません。
 通行料金が税金と同じなどと全くトボケタ話です。道路建設のためにガソリン税、重量税を払っています。なおかつ通行料金までが税金というのであれば、これは完璧に税金の二重取りです。
 ましてや、上野弁護士は民間人ではないですか。六法全書を振りかざしてお上軍団の先頭に立って突撃するなんて、いかに生活のためとはいえ、最近の弁護士先生も堕ちたものです。
 さて、公団は何と職員8人弁護士2人のグループを4組も用意し、同日同時刻に4金融機関に一斉に踏み込んだようです。
 もちろん、金融機関も、公団よりお客様を大切にする思いは同じです。お客様というのは私です。とっさの知恵を絞って私の預金を守ってくれ、結局、民間弁護士8人を含む総勢40人の公団側は、普通預金に入っていた家のローン1回分の8万円を押さえました。
 翌日より首都高速道路公団に対して新しい裁判が増えました。
1税金は国会で十分論議され決定される。故に保全のための裁判をしないで直接差し押さえが出来る権限を持っている。しかし首都高の通行料金は認可制で、国会審議を受けないので、全く税金とは異質であり、税金の持つ権限を有することはできない。
2本来、道路建設はガソリン税など自動車関連税建設されるものである。もし仮に通行料金が税金であるとすれば税金の二重取りとなり、そのような解釈は成り立たない。

■たかが100円されど100円

 それにしてもなぜ、私のことを公団は目の敵にするのでしょう。たった100円の不払いを、公団は毎月、明細付きで請求し、差し押さえするなど、まるでマンガじゃないですか。
 どうやら、この「たった100円」が、偏差値秀才たちにはどうにも邪魔なようです。「100円くらいいいじゃないか」と世論が容認すれば、値上げが出来ない。潰しておく必要があるのです。
 私は、種痘高速道路公団を目の敵にしているわけではありません。残念ながら、そんなにヒマではないのです。公団の諸君が仕事を熱心にやっているのは認めているのですよ。 ただ、方向が間違っています。庶民の感覚を思い出し、お上意識を払った行政に戻れば、長いお付き合いですから、過去のことをとやかく問題には致しません。利用者側のための改革が始まるまで、このまま「良い」関係を保ちたいものです。
 重ねて申し上げます。値上げには反対です。仮に「お上」といえども、約束は守らなければいけません。無料開放の前提で道路有料化の許可をしたのは、私たち主権者です。主客転倒してもらっては困ります。

■■■こうして始まった
 1987年9月11日、高島平入口から首都高速に乗り入れ、志村料金所に向かっていた私は、「錦糸町6キロ渋滞」と、相変わらずの慢性渋滞を示した電光掲示板にウンザリしていた。ところが、その日はさらに「今日から通行料金が600円改定になりました」との掲示までがされているではないか。
 寝耳に水、あきれ返った私は、それでも流れのままにゲートにたどり着いた。500円を手渡すと、職員は窓越しにパンフレットを渡し、「600円になりました。あと100円下さい」と事務的に要求してきた。
 この対応に怒り心頭に発した私は、気持ちを懸命に鎮めつつ、「いきなり、このような20%もの大幅値上げは、到底認めるわけにはいかない。とりあえず今日は今まで通りの500円で通行する」と、名刺と500円を置いて発車した。
 翌年1月、毎日新聞に報道されて以来、支援、阻止双方の側から、さまざまな声が届いたが、首都高速道路公団からは、依然として値上げが納得できる説明がなされていない。したがって500円通行をやめる理由もなく、700円に上がった現在も続けている。■つづく(わごう・ひでのり……1941年生まれ。都内の高校を卒業後、1971年より金属加工業「和合ダイカスト」代表取締役。フリーウェイクラブ会長。)

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