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首都高速道路500円通行の正義 第11回/ジャガイモ刑事の虚報逮捕

■月刊『記録』95年6月号掲載記事

■フリーウエイ・パレード

 さあ、出発です。山口さんの赤い軽自動車を先頭に、私の愛車プレーリーを頭にハーレーダビットソンやら種々雑多の20台ほどの車と総勢30人ほどのメンバーが続々と続きます。マスコミや警察の車を含めると40台以上の車の行列が出来上がり、道行く人々は何事かと驚いて足を止めます。
 メンバーの顔は輝いています。晴れ晴れと素敵な表情をしています。やがて打ち合わせ通り、最初の入口である阿波座ランプに到着しました。ここで信じられない最初の出来事に出会います。何と入口が閉鎖されているではないですか。しかも首都高と同じ格好で武装した物々しいカラス天狗達が立っています。
 阪神高速道路公団に問い合せると「混雑のために閉鎖した」との返事ですが、見たところ全く混雑はありません。わけのわからない出来事に苦笑しながら構わず入口に向いました。
 2回目の事件は10分ほど経過した頃に起こりました。けたたましいサイレンが鳴ったかと思うと私の前にパトカーが横づけされたのです。「しまったッ、どこかで一時停止でも怠ったか?おっとシートベルトをしていなかった」。あわてて着用して警官を待ちます。さて、パトカーがサイレンを鳴らし、私の車を停止させた理由は何でしょう?私は断言できるが、答えは麻原尊師にも絶対予言できまい。まずパトカーから出てきたのは制服警官ではなく私服の刑事でした。彼は窓越しに私の耳元でボソボソと、「和合さん、何も大阪まで来るこたあないだろう」と言いました。どうも停止理由は道交法違反などではないようです。

■大阪まで出しゃばるんじゃねえ

 まん丸顔にエラが張ったり頬骨が出ていたりでやけに凹凸の激しい顔立ちをギンギラの油ぎった表皮で包み込み、ニキビの噴火口が点在しているこの刑事を「ジャガイモ刑事」と私は名づけました。このイモは私に旧料金通行を止めさせようと脅している「つもり」なのです。可哀想にフリーウェイクラブの会長を知らないなら教えてあげようと、「何だお前は。刑事なら刑事らしく警察手帳でも見せたらどうだ。話はそれからだ。礼儀の知らねえ野郎だ」と挨拶すると、ジャガイモはハトが豆鉄砲を食らった上に激辛キムチを食べてしまったような顔をしています。普段は羊の群れのような一般市民によほど威張って日常を過ごしているようで、ガンといわれる免疫ができていないのです。
 さて会長も静かに下車します。パトカーを前にして対峙している刑事と私の周りの人達は何事かと固唾を飲んで見守っています。ジャガイモ刑事は、「東京だけでやっていればいいだろう。大阪まで出しゃばるんじゃねえよ。グジャグジャ言うとしょっ引くぞッ!」と放言、お行儀の悪さでは完璧に会長の上を行っています。大阪府は税金でヤクザを飼っているのかしら?当然のごとく会長の火山は、「ジャガイモ野郎!しょっ引けるものならやってみな」と大噴火します。完全に東西ヤクザ抗争の様子を呈してきました。マスコミもどうなるかとカメラを回すのも忘れています。
 ジャガイモはさらに恐ろしい事を耳元に囁きます。「調子に乗りやがって、てめえ何を言っているのかわかっているのか。東京まで追っかけてふんじばるぞ」。会長は道行く国民にガンガンと聞こえる大声で「税金で飯を食っている野郎が善良なる国民に何をいっているのだ!ふざけるな、頭が高いッ!帰れーッ」と怒鳴り返しました。ジャガイモ野郎はみるみる赤黒くなって(顔が黒いので赤くなることができない)すさまじい形相でパトカーで走り去りました。大阪は恐ろしい。東京では絶対にあり得ません。後日わかったことですが、阪神高速道路公団の理事長は代々大阪府警からの天下りです。

■不当どころか「虚報」逮捕

 入口を物色しながら最終打ち合せの港大橋ランプに着きます。「騒ぎは大きい方が意味がある」が持論の青木さんが公団に情報を流していたようで、現場はとにかくいるわいるわ、職員がウジャウジャ待機しています。パトカー5台と警察官もあふれ返っています。山口さんが料金所へ車を乗り入れ「一方的な値上げに抗議し、旧料金通行をします」という声明文を読み上げると、さすが大阪、「アホンダラッ、ちゃんと払わんかいッ!」と、途端に品の悪い怒号が浴びせられるとともに職員に囲まれニッチもサッチもいきません。やむなく「値上げハンターイ」とメンバー全員がシュプレヒコーで抗議するといった応酬が1時間ほど続きます。
 野上さんがソッと寄ってきて、「警察の動きがおかしい。気をつけたほうがいい」と忠告してくれたその時。あのジャガイモ野郎が勘高く一声、「山口逮捕!」と吠えました。「バカバカしい、理由は?」「傷害だ」「えッ、山口さんが何かしたかい?」やがて1人の警官に抱えられてきた職員がズボンをたくし上げ、山口さんの車が足にぶつかったと一心に説明しています。納得できない私は、「だってオッサン、何にもなってないじゃないか。それに山口さんの車は走っていないよ。止まっている車がオッサンの足に当たりようがないじゃないか。俺はガンガン走っていたから当てたとしたら俺しかないよ」と憤慨して一生懸命説明したものです。
 しかし彼らは原因や理由は何でもよかったのです。またもバカタレジャガイモが「山口逮捕!傷害現行犯だ」と叫びます。私も人混みで身動きできず、10人くらいの警官が山口さんを連行して行くのをどうしようもできません。しかし山口さんはアタフタとした様子はなく、実に堂々と警官を従えるように歩きます。「今に見ていろジャガイモ野郎。山口さん悪い」とわびます。信じられないことに、同日から12日間も拘留されたのです。
 さあどうする。取りあえず全員集合して対策を練りました。青木さんはマスコミを集め、篠塚さんが記者会見をします。大津卓滋顧問弁護士に頼んで同期の川下先生が駆けつけて下さり、早速港警察署で接見。山口さんは意気剛健で、「人生の良い経験をさせてもらっている」と話をしたそうです。
 たった1日、されど長い長い1日でした。色々な勉強をさせてもらいました。帰りの新幹線の座席に身を沈めると山口さんの顔が浮かびます。少し待って欲しい、そんなに時間はとらせないよ。

吉報です。
フリーウエイクラブ会員の田中健さんが東京都江戸川区議に当選しました。彼は先生になっても首都高通行は500円です。(■つづく)

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