« 首都高速道路500円通行の正義 第9回/フリーウエイ関西の大旗揚げ | トップページ | 靖国を歩く/第1回 巨大な筒に首を突っ込んで(『記録』編集部) »

首都高速道路500円通行の正義 第10回/警察ご招待で不払い開始

■月刊『記録』95年5月号

■若者が・・・・オッサンも・・・・

 日もとっぷり暮れた午後7時、大阪駅に着くと大阪の仲間がワンサカと待っていました。山口さんは写真すら見たこともないにもかかわらずひと目でわかりました。小柄な実直そうな青年で、旧知の友にやっと巡り会ったような素敵な笑顔を投げかけ、握手をした手から人柄がジワリと伝わってきます。
 真っ赤なハーレーにのってさっそうと表れた髭モジャは仲間の篠塚さん。1m90cmはあろうかと思われる大男で、小柄な私が見上げるようにして握手をすると、彼のグローブのような手の中で埋没してしまいました。トンボメガネの高橋さんは学者肌で、おおいにテレて握手を求めてきました。こうした総勢20人ほどの若者の出迎えから、私は天にも昇れるほどのエネルギーを感じたのです。
 そんな熱気ムンムンの中で、口髭のオッサンがチャップリンのような出で立ちでヌーッと顔を出し、「和合さんワテやワテや」と声をかけてきました。「ケッタイな野郎が出てきたもんだ。こんなオッサン、ワシャ知らん」。よく聞くと大阪のマスコミ界で知る人ぞ知る政経新聞発行人・青木さん。この大変な私が大変な人と断言するほど大変な人です。何でも公団のアホ奴等と大立ち回りの最中に取材で私と会ったとのことですが、失礼ながら記憶にありませんでした。「わしゃフリーウェイクラブ関西のマスコミ担当や」と自分の役柄を勝手に決めて悦に入っています。

■郷に入らば郷に従え

 青木さん出現で発会式はが然面白くなってきました。明日の打ち合せのために、青木さんの手配でホテルの一室が用意されます。
 まずこれまでのテレビ放送になった数々の名場面・珍場面のビデオ鑑賞からスタート。「ここ車の窓にぶら下がっている野郎がいるだろう。こいつがしつこい、こいつさえいなければ500円で通るのに5分で済む。考えてみるとなかなか天晴れな野郎だ」「ここでバンバーを蹴飛ばしている野郎はニコニコ笑っているだろう?本当は私のファンなのだが、仕事上仕方なく蹴飛ばしているんだ」などと口やかましくフリーウエイクラブ会長の解説が入ります。打ち合せは今夜限りなので、2時間ブッ通しで午後10時までやりました。
 新会員の面々はビックリ顔で食い入るように500円通行の様子を見ています。それがが違法な行動でもなく、したがって警察には全く関係のない行動であると徐々に理解してきました。新鮮な驚きと興奮で部屋中が充満しています。
 ビデオ終了後、まず山口さんが、「よしやろう。今夜中に旧料金通行宣言書を作る。明日は手分けをしてなるべく人数を集めて欲しい」と静かに口火を切ると、「俺に任せろ。今夜中に電話をかけまくって集める」と篠塚さんが乱暴に言い切ります。そして山口さんを関西支部長として行動を共にすると決議しました。
 変人青木氏も興奮して、「とにかく、みんなで協力しあっていかなければならない。それでなければ日本はよくならない。これは世直しである」と言うから、「そんなたいそうなことではないよ。500円のところを450円で通るというケチな話をみんなでやろうというだけだ。だから明るく楽しく遊び感覚でやろう。使命感とか非壮感を持ってはダメだ。みんなもよく肝に命じて欲しい」と私が口をはさめば、「わかった。とにかくマスコミ対策は私に任せて欲しい。会長はん、よろしいでしゃっろ」と応じます。
 彼のニコニコ顔にいやな予感を感じましたが、郷に入れば郷に従え、大阪のことは大阪の人たちに任せようと決めました。翌日午前10時にホテルのコーヒーショップで集合と決まって散会。

■無料通行はいつから?

 明けて4月1日です。発会がエイプリルフールとは何かの巡り合わせか、今日はどんな日になるのかとワクワクしながら約束の時間に顔を出すと、「ひどいじゃないですか和合さん。私に内緒でこういうことをやってもらっては困ります。噂を聞いて一番の新幹線で来ました。和合さんが何といっても今日はご一緒させて戴きますよ」と怒っている人がいる。よく見ると吉田勉さんです。
 私と違って非常に折り目正しい優等生で、長年某代議士の秘書を経験してきたので永田町界隈に詳しく、政治家にも知り合いが多く重宝しています。東京町田市議に立候補するのことで、迷惑と思って声をかけなかったのですが、スポークスマンには最適の人物です。ちなみに彼は2回目の選挙で目出たく当選しました。
 何はともあれ粒ぞろいの東京勢が5人そろいました。「朝の5時頃には大阪に着いてしまったので、今まで車の中で仮眠をとっていたのです」と張り切る田中健さんは、「ところで和合さん、大阪までの有料道路を全て無料で通ってきました」などと驚かせる。
「トラブルは何もありません。それぞれのゲートで、本来道路は無料と道路法にも定められており、ガソリン税・重量税で道路は建設するのが基本であり、現在の特別措置法は敗戦後の復興のためで、使命を終えた今日は廃止すべきだと、有料道路制度のデタラメさを説いてきました。ご心配なく。フリーウエイクラブの通行宣言書はキチンと提示してきました」と勇ましい。
 さらに、「特別措置法に反対しての無料通行宣言はいつ頃ですか?本当に待ち遠しい」などと言うから、和合会長はアングリと口を開けて聞き入るばかり。さすが勉強家のケンさんの話には道筋に少しの間違いがなく頼もしい限り。ちなみに、この時の無料通行の件で公団からはいまだ何の連絡もありません。

■事件は大きい方が面白いでっせ

 ヒョイと見ると一群の人だかり。山口さんが記者会見をしているのです。テレビカメラも回してのなかなか大ががりな会見で、フリーウエイクラブ関西の発会式を阪神高速道路を旧料金通行することで行なう旨を話しています。その横で自称マスコミ担当の青木さんが最もらしくフムフムなどとやっています。彼の仕業に相違ありません。なかなかの舞台になってきました。
 いつの間にか私の横には野上さんや西山さんなど東京人が集ってきました。「こりゃあ面白くなってきましたね」と楽しそうな西山さんに対し野上さんは心配そうに、「ホテルの回りにパトカーがたくさんいます。私のカンでは、ここには私服の刑事が多くまぎれ込んでいます。まさか青木さんが連絡したのでは」などと小声で耳打ちします。私は「心配ないよ。これは民事で警察はタッチできないことは立証済み。警察は動かないよ、外のパトカーは別件だろう」と答えましたが一応青木さんに確認を取りました。
 イヤ、その時の青木さんの返答がふるっていた。「外のパトカーが関係あるかはわかりまへんけど、警察に連絡したのは事実だっせ。イヤイヤ事件は大きい方が面白いでっせ。で、何かあったんでっか」・・・・。口髭のオッサンは、何の悪気もなく腕白坊主みたいに目を輝かしています。ヤレヤレ。
 記者会見も終わったようです。出発の時間です。(■つづく)

|

« 首都高速道路500円通行の正義 第9回/フリーウエイ関西の大旗揚げ | トップページ | 靖国を歩く/第1回 巨大な筒に首を突っ込んで(『記録』編集部) »

首都高速道路500円通行の正義/和合秀典」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/389724/6773357

この記事へのトラックバック一覧です: 首都高速道路500円通行の正義 第10回/警察ご招待で不払い開始:

« 首都高速道路500円通行の正義 第9回/フリーウエイ関西の大旗揚げ | トップページ | 靖国を歩く/第1回 巨大な筒に首を突っ込んで(『記録』編集部) »