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靖国を歩く/第22回 決定版!お守りガイド(奥津裕美)

■月刊「記録」03年12月号掲載記事

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 皆さんはお守りを買いますか? 年に1回初詣に行ったついでに買う人もいれば、小さい頃からずっと持っているお守りを身につけている人もいるかもしれない。
 皆さんが持っているお守りと、靖国神社で売られているお守りにはなにか違いはあるのだろうか。今回は靖国神社お守りガイドをお届けする。
 
 さて「お守り」は意外にも日本独特のものではない。形は違えど、世界にもさまざまなお守りがある。インディアン(ネイティブアメリカン)のあいだでは、ドリームキャッチャーと呼ばれる、悪夢を消し去ってくれるお守り(バクが夢を食べるという伝説に近い)があるし、トルコでは、ねたみや恨みの視線を受けて幸せが飛んで行かないように、青いガラスでできた目玉の形のお守りをつけるという。ペルーには、日本人にもなじみの深い亀やフクロウを幸運のシンボルとしている。他にも世界各地にお守り(チャーム)は存在する。
 もちろん、日本でもお守りと呼ばれているものがあるが、それは神社で売っている布の袋に入ったものだけではなく、おまじないをするときに作る護符もそうなるし、一時期流行ったパワーストーン(守護石)もお守りの仲間である。自分を守ってくれるものや、願いをかなえてくれるものはすべてお守りといっても過言ではない。

■ストラップタイプのお守りも

 今では携帯電話の世界にも進出している。誰もが必ず持っているといってもいいほど普及した携帯電話にはストラップをつける方がほとんどだと思われるが、それにも幸運を呼ぶお守り(チャーム)をつけたものがたくさん出回っている。現に私も干支(えと)の形に彫られた翡翠(ひすい)のストラップをつけている。
 なんと靖国神社にもストラップタイプのものがあったのだ。その名も『開運 さくらまもり』。タテ約4センチ、ヨコ2.5センチでお守りにはサクラのアップリケが施されている。赤いのを買ったのだが、これがまたミニサイズだとかわいいのである。大きいと派手だし、使用する赤の色でもだいぶ趣が違ってしてしまう。キュートなストラップをお探しの方がいたら、これをおすすめしたい。
 その他にも靖国にはオーソドックスなお守りが多数ある。学業成就お守りは、紫の布に『学業御守』という字と菊と桜の刺しゅうが入っている。どのお守りよりも渋い。高校受験のさい、学業成就のお守りを身につけ会場へ向かったが、推薦で落ちてしまったことがある(その後一般入試で受かった)ので、それ以来その類のものはすべて遠ざけていたが、このお守りの効き目はいかなるものなのだろうか。しかし私はもう学生ではないので確かめる術はない。
 もちろん靖国にも縁結びのお守りがあって、これは淡いピンク色の布に、サクラと菊が刺しゅうされていて、大きさもタテ約6センチ・ヨコ3センチとミニサイズ。見ているだけで、恋の願いがかないそうである。ピンクは恋愛に効果がある色だし、なんてったって靖国の縁結びお守りだ。英霊がなにがなんでも引き寄せてくれそうである。
 厄除けのお守りは他のお守りと趣が異なっており、オレンジの布に金の文字にオレンジの縁取りで「厄除御守」とかかれている。裏面には、靖国の鳥居の絵が刺繍されている。この鳥居を鬼門に見立てて、ここからさまざまな厄が出ていきますように……という意味が込められているのだろうか。それともその鳥居から厄が入りその中に閉じこめるという意味なのだろうか。明らかに判明していることは、このお守りが代わりに厄を引き受けてくれるということである。
 お守りと呼ばれるオールマイティーなものは、大小2つのサイズがあり、今回は小さいほうを購入。これに使われている赤は一番はっきりした発色で、表に菊、裏に桜が刺繍されている。
 一つだけ大きさが違うお守りがあった。「病気平癒御守」である。タテ9センチ・ヨコ約6センチ。パステルグリーンの布に黄緑の桜が刺しゅうされている。やはり病気には、風邪からガンなどの大病まであるから大きめに作っているのだろうか。あまりの存在感なので、目に見えないウィルスでも振りかざせばどうにかなりそうな気になってしまう。
 おまもりがたくさん並んでいる神札授与所でまず目についたものがあった。それは『こどもおまもり』だ。クリーム色の布に男の子と女の子の刺繍が施されているお守りである。これは、子どもに持たせるお守りなのだろうか。それとも子宝祈願のお守りなのだろうか。靖国に問い合わせたところ「子どもに持たせるお守りです」との返答があった。ネーミングセンス抜群のお守りだ。
 靖国神社といえばたくさんの白鳩が思い出されるが、もちろんお守りの中にもいる。『白鳩おまもり』と呼ばれるそれは、金属でできており、折り紙で作ったハトに銀メッキ加工を施したようさまである。しかし実際にそんな加工では崩れ去ってしまうので、違うが。
 このお守りの説明書きを読むと、『靖国の白鳩にちなみ願いを込めながら折った折鳩を基に奉製されております。みなさまの願い事が、この折鳩に織り込まれ、かなえられますようにお祈りされているおまもりです』と書かれている。これをストラップにつけて毎日身につけようかな。
 白鳩のお守り以外には必ず菊と桜を合体させたマークがついている。これは社紋なのだそうで、この社紋をかたどったお守りもある。説明書きにはこう記されている。「この御守護は、菊花御紋章に桜花をかさねた靖國神社の社紋をかたどりました。御神徳を仰ぐお守りとして財布などの小物につけて大切におもちください」。
 これは金と銀の二種類あるので、「おそろいー!」とか言いながら持つことも可能である。

■中身は意外にシンプル

 本来であれば取り出してはいけないお守りの中身をみてみたいと思う。学業成就お守りの中には、靖国神社と書かれたタテ5センチ・ヨコ2センチの折りたたまれた白い和紙が入っていた。あらかじめ中を見られることを想定した作りのような作りで、1枚1枚丹念に折りたたまれている。病気平癒お守りの中には、「病気平癒御守」と書かれた和紙が入っていた。意外とシンプルである。厄除お守りの中には、タテ3.5センチ・ヨコ2センチの折りたたまれた和紙が入っていた。一番オーソドックスなお守りの中にも、厄除けの中身と同じものが入っていた。
 縁結びのお守りは、開けたくなかったのであけなかった。個人的にも持っているから開けてもいいのだが、開けてしまうと縁が結ばれなくなってしまうような気がしたのでやめました。
 どうやらこの紙製の札はお守りの作られる過程によって、神社で作っていたりそうでなかったりするそうである。
 このお守りだがどのようにして神札授与所に並ぶかというと、お守りの製作業者に注文してできてきたものを神前に供え、祈りを捧げて神様の力を注入するそうである。神様といえども、力を発揮できるものには限りがあるだろうから、神札授与所にたくさん並んでいるからといって、手当たり次第買うよりも、その神社の特徴にあったお守りを買えば、抜群の効果を発揮するに違いない。
 日本でのお守りの発祥は遠く平安時代にまでさかのぼる。このところのブームで聞き慣れているであろう陰陽師や僧侶が配っていた護符が起源であるそうだ。それを神社がならって作り始めたお守りが今にまで伝わっているということだそうである。

■買った直後に別れがきた縁結び

 さて皆さんは買ったお守りを最終的にどのように保管・処分をしているだろうか。保管方法は人それぞれだが、処分をするさいはぜひ、神社へ持っていくことをおすすめする。買った神社へわざわざ持って行かなくとも、近くの神社の神札授与所などに持っていけば処分してくれるそうだ。たかがお守り、されどお守り。皆さんもお守りを大切に扱ってあげてください。
 個人的なお守りのエピソードなのだが、以前、靖国で買った縁結びのお守りがあるのだが、なぜか買った直後に縁が切れた。納得はいかないのだが、とりあえず「縁結び」というのは結ばれていない縁と縁を結びつけることだから、今まであった縁を絶ちきり新しい縁を見つけなさい、という英霊(お守り)のアドバイスなのだと考えることにした。
 やはりお守りは自分の目的にそったものを買うことが一番なのだ。 (■つづく)

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