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大使館は世界への窓 第11回 タイ王国

■(月刊『記録』95年7月号掲載記事)

■「『タイ米はまずい』は偏見」/シーハサ・プワンゲーギャオ公使参事官に聞く
 
  現在、アジアには5匹の竜が住んでいるといわれている。韓国・台湾・香港・シンガポール、そしてタイ。竜の由来は、近年5ヶ国が目覚ましい経済成長を遂げていることにある。タイに限っていえば、1987~92年の経済成長率が11%、93年以降は爆発的成長から安定成長に変わったとはいえ、8%の伸びを記録している。
  タイの経済成長は、日本の政府や民間団体などの援助によるところが大きい。しかし最近では、アジア進出の拠点として地理的に有利なこと、巨大な人口が消費国として魅力があることなどにより、日本企業からタイへの投資が盛んになってきている。
  また、92年にはシンガポールにおいてAFTA(ASEAN自由貿易圏)構想が合意され、わが国を始め参加国の間で、関税を撤廃した商品の輸出入も始まった。このようなことも、タイの経済発展を後押ししているのだろう。
  GNPも国民一人当たり700ドルだったものが、現在では2300ドルへとふくらみ、生活もかなり豊かになった。一方で、経済成長に伴う問題も現れている。
  バンコクでは、夜中をのぞく1日中、車が渋滞している。2~3キロ進むのに40~45分かかるほどだ。また、環境汚染の問題も深刻である。タイ政府もこのような問題の解決に力を注いでいる。
  タイの魅力の1つは、国民の親しみやすさにあるだろう。にこやかによく笑い、外国人と接するのに抵抗がない。それは、植民地になったことのない歴史が、タイ人に誇りと自信を与えているからだろう。また、敬虔な仏教徒が多く、仏教が国民の生活に密接に関わっていることは現在も変わりがない。家の新築や誕生日には、食べ物や袈裟を寄進するのが習慣となっている。
  タイと日本の関係はうまくいっている。しかし、昨年の米騒動には絶望した。タイ米を食べたことのない人まで、悪口を言う。タイ米と日本米は違う。もちろん品質が悪いわけでもない。「まずい」ではなく、せめて「食べ慣れていない」と言ってほしい。マスコミもマイナスイメージだけを流し続けた。日本にはタイ料理屋さんも多いので、いろいろなタイ料理を食べてみて欲しい。タイ料理には、やはりタイ米が合う。今年、タイ米が輸入された時には、米にあった料理を作ってみてください。タイ米の評価は、マスコミの偏った報道ではなく、自分の舌で出して欲しい。
(■つづく)

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